2014 Fiscal Year Annual Research Report
石油代替合成燃料としてのジメチルエーテルの利用技術に関する基礎研究
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24560219
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Research Institution | Ibaraki University |
Principal Investigator |
金野 満 茨城大学, 工学部, 教授 (90205576)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田中 光太郎 茨城大学, 工学部, 准教授 (10455470)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 新エネルギー / 燃料 / 燃焼 / 噴霧 / 化学反応 / 石油代替 / モデル化 / ジメチルエーテル |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、バイオマス等の多様な資源から大領安価に製造可能な合成燃料であるジメチルエーテル(以下DME)の実用化を図る上で、利用技術の根幹となる噴霧燃焼の詳細を明らかにし、そのモデル化を図ることを目的としている。 最初に、DME噴霧の超高速度光学観察に取組み、実機相当の高温高圧におけるDME噴霧を1,000,000コマ/秒で撮影することに成功した。これにより噴霧形状や貫徹力といったマクロ特性の他、分裂・蒸発過程を詳細に捉えることができた。半導体レーザーを用いた吸光分光法によるDME濃度の計測システムの開発にも取り組み、3.3μm帯におけるDMEの直接吸収スペクトル強度の圧力依存性等の基礎分光特性を取得するとともに、雰囲気圧力2MPaにおけるDME噴霧内当量比計測に成功した。さらに、DMEの噴霧燃焼の高速度観察を実施し、従来の軽油噴霧燃焼の観察も行って両者の違いを明らかにした。DMEの蒸発は軽油に比べて圧倒的に速いこと、火炎保持位置が上流側に位置すること、火炎輝度が低く、燃焼過程で煤を生成しないことなどがわかった。これらの観察・計測結果を基に、分裂・液相長さ・蒸発特性を再現する物理モデルを構築した。一方、酸化反応に関してはBurke等の詳細素反応モデルを基に簡略化を試み、着火遅れや主要中間生成物の濃度履歴を再現しつつ計算負荷を大幅に軽減することに成功した。そして、物理モデルに簡略化反応モデルを組み込んだDMEの噴霧燃焼モデルを構築した。実験と同条件で数値解析し比較したところ、計算結果は実験で得られたDME噴霧燃焼の特性を定量的に概ね再現できることが確認された。 以上、本研究で得られたDME噴霧燃焼の根本的な理解とモデル化は、世界初の先端的成果であり、DMEエンジンの開発に大いに貢献できるものと考えられる。
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Research Products
(7 results)