2014 Fiscal Year Annual Research Report
シンクロアクチュエーションによる高感度時間分解燃焼過渡成分検出法の開発
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24560226
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Research Institution | University of Toyama |
Principal Investigator |
手崎 衆 富山大学, 大学院理工学研究部(工学), 教授 (50236965)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 熱工学 / 燃焼 / 着火過程 / 低温酸化反応 / 中間生成物 / 成分検出 |
Outline of Annual Research Achievements |
26年度においては,サンプリングバルブとそのアダプターにおけるガス流出経路の改善を行い,懸案となっていた過酸化水素に対して検出感度が得られたことを確認した.質量数34で検出される過酸化水素のイオン信号には,質量数18の同位体を一つ含む酸素分子の信号が重畳し,その寄与を差し引く信号処理が必要である.そのためには質量数32の酸素分子の信号を同時に得ておき,また酸素分子についての質量数32と34の信号強度比は校正しておく手法を確立した. 二つの燃料系,PRF(ノルマルヘプタン/イソオクタン混合)とNTF(ノルマルヘプタン/トルエン混合)において冷炎-熱炎二段階着火の中間生成物の検出と着火反応機構の検討を行った.元燃料成分の検出としては,ノルマルヘプタンとトルエンはそれぞれの質量数である100と92で検出されるが,イソオクタンはその質量114では検出されず,フラグメントである質量数99で観測することで良好な感度が得られる. 冷炎における燃料消費率とホルムアルデヒド生成率を燃料組成を変えて調べた.着火性の高いノルマルヘプタンに,着火性の低いイソオクタン又はトルエンを加えて行くことで冷炎燃料消費が減少するが,PRFではイソオクタン含量の全域において直線的な変化であるのに,NTFではトルエン60%までは変化が少なく,80%にかけて急速に減少して全く燃料消費しない状態に至る.この差異は冷炎におけるOHを担体とする連鎖反応機構から解釈でき,イソオクタンはOHとの反応速度定数がノルマルヘプタンと同程度でOH再生係数も0でないが,トルエンはOHとの反応速度定数が小さく,OH再生係数がほぼ0であることによっている.
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Research Products
(3 results)