2013 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
24560237
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
生田 竜也 九州大学, 工学(系)研究科(研究院), 技術専門職員 (70532331)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高橋 厚史 九州大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (10243924)
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Keywords | 熱計測 / ナノホットフィルム / カーボンナノチューブ / 集束イオンビーム |
Research Abstract |
ナノスケールでの汎用的熱計測装置の開発を目的として、前年度から引き続いて接触熱抵抗の影響を受けずに表面の温度分布を100nm以下の空間精度で計測可能とする走査型熱顕微鏡の開発を行った。熱プローブが表面に接触する前後でナノホットフィルムの信号が変化しないようにフィードバック制御をかけるという基本システムは前年度に確立していたが、今年度は実際に試作したシステムの温度校正を実施したうえで、実験的に測定温度の精度を検討した。結果として0.5Kの精度を有することがわかった。また、プローブとして多層カーボンナノチューブを用いることで十分な耐久性も確認できた。また、別のテーマとして測定対象に集束イオンビーム(FIB)を照射しながら熱コンダクタンスを計測する実験系も開発した。これによって試料の構造をナノスケールで変化させながら熱輸送性能を検査することが可能となった。FIB装置の環境にナノホットフィルムを対応させたことが大きな実績と考えている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
接触熱抵抗をキャンセルできる新しい熱顕微鏡を開発し性能を実際に試験したことから研究は概ね順調に進んでいると言える。
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Strategy for Future Research Activity |
研究者のニーズから考えて、今後は集束イオンビーム(FIB)とナノホットフィルムを連動させた実験系の開発に力を入れることが本研究の目的に沿っているものと考えており、そのための準備を進めている。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
順調に実験が進んだ為、多くの消耗品を必要としなかった。 次段階の高難度実験にステップアップする為、多くの消耗品が必要となることが予想されるので、引き続き消耗品にあてる。また、成果発表の為の旅費等に使用する。
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Research Products
(3 results)