2014 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
24560237
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
生田 竜也 九州大学, 工学(系)研究科(研究院), 技術専門職員 (70532331)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高橋 厚史 九州大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (10243924)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | マイクロ・ナノスケール伝熱 / ナノホットフィルムセンサ / カーボンナノチューブプローブ |
Outline of Annual Research Achievements |
ナノスケールでの汎用的熱計測装置の開発を目的として、前年度から引き続いて、表面温度分布を計測するための走査型熱顕微鏡に関する研究を行った。これまで用いてきた白金薄膜製ナノホットフィルムは静電気に弱いため、それに代わる方式として、基板に蒸着した白金薄膜を懸架状態にしないで細線化してヒーター兼温度センサーとして用いる手法を開発した。この方式は真空環境である限り熱流はカンチレバーとターゲット以外に逃げないという原理に基づくもので、フィードバックによる表面温度の同定に加えて、拡がり抵抗の推算を加味することで固体面間の単位面積当たりの接触熱抵抗を正確に計測することに成功した。具体的には、ガラス球をプローブとして接触部分に直径1ミクロン程度の突起を集束イオンビーム加工によって設け、それと基板を接触させたときの熱流を計測して完全に平坦な接触部の面積から正確に熱抵抗が得られるというものである。この実験で得られた界面熱抵抗はCVD法やスパッタリングで堆積させた薄膜と基板の界面に比べて30倍から50倍の値を示したが、弱いファンデルワールス結合が支配する接触時の界面としては妥当なデータであると考えられる。総括すると、本研究はナノホットフィルムセンサーの応用範囲を拡大するとともにナノスケールでの熱計測の最大の問題である接触熱抵抗の対応方法およびその定量的把握を行って一定の成果を収め、今後に向けて更なる精度の向上と使いやすさへの指針を得ることができたと言える。
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Research Products
(9 results)