2014 Fiscal Year Annual Research Report
高温面の急速冷却中に形成される安定な固液接触面の拡大開始に関する熱的特性の解明
Project/Area Number |
24560238
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
門出 政則 九州大学, 水素材料先端科学研究センター, 特任教授 (80109222)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 均一自発核生成 / 急速冷却 / 固液接触 / 蒸気爆発 / 相変化 |
Outline of Annual Research Achievements |
高温面に液滴を接触させると高温面がある温度以上のとき液体の急激な蒸発によって安定な固液の接触が達成されなくなる.この液体の急激な蒸発が固液接触面での均一自発核生成によって生じるというモデルを提案し,そのモデルの妥当性を3条件(1)固体表面温度が高速上昇する時に形成される爆発的な蒸気塊,(2)高温面に液体が接触する時の爆発的な蒸気塊,(3)固体表面熱流束が非常に大きい時の爆発的な蒸気塊に対して適用し,従来報告されていた爆発的な蒸気塊形成の観察結果と一致することを平成25年度報告した. 平成26年度では,提案した均一自発核生成モデルをアルコールに適用し,アルコールで観察された結果についても適用できることを確認した. 更に,平成24,25年度に作成した高感度温度センサーを装着した高温面にアルコール液滴を落下させる実験を行った.アルコール液滴が高温面に接触した直後に爆発的な蒸発が発生し,安定な固液の接触が達成されず,不安定な固液の接触を繰り返すことが高速ビデオ撮影で観察された.一方,この不安定な固液の接触中に高温面の表面温度は徐々に降下している.そして,高温面の表面温度がある温度になったとき均一自発核生成による爆発的な蒸気生成が終了し,安定な固液の接触が形成される. 不安定な固液の接触から安定な接触に遷移するときの表面温度が,提案されてモデルで説明できることを明らかにした.そして,この遷移表面温度に及ぼす酸化膜のスケール,液体の温度や固液熱物性の影響について検討し,その影響を明らかにした.
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