2013 Fiscal Year Research-status Report
マイクロチャンネルを流れるガス流の摩擦係数に関する研究
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24560239
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Research Institution | Tokyo Metropolitan University |
Principal Investigator |
浅古 豊 首都大学東京, 理工学研究科, 教授 (20094253)
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Keywords | マイクロチャンネル / ガス流 / 温度測定 |
Research Abstract |
圧縮性流体の場合,摩擦係数を求めるには圧力差だけでなく温度の情報も必要であるが,マイクロチャンネルの場合,温度の測定が容易でないことから等温流れを仮定し,測定した流量と圧力差とから摩擦係数が求められている.しかし,マイクロチャンネル内では加速により流体の温度が低下し,等温流れの仮定が成り立たない.等温流れの仮定を用いないで摩擦係数を求めることが本研究の目的である.昨年度,LIF法の蛍光強度から求めた静温と熱電対で測定した温度に差異がみられ,本年度は, 1) その差異の原因の究明を行い,レーザー光の強度が一様でないことに原因があることを見出し,レーザー光の強度の非一様性を考慮した蛍光強度から静温を求める校正曲線を求めた. 2) マイクロチューブ出口の静温を求めるため,マイクロチューブから噴出する噴流の静温をLIF法を用いて測定した.すなわち,ヨウ素を混入した窒素ガスの噴流に523nmのレーザー光を照射し蛍光強度を測定し,静温を求めた.蛍光強度から静温への換算には1)の 校正曲線を用いた.現在,測定結果を数値解析結果と比較するため数値解析を行っている. 3) ついで,内部に数枚のバッフル板を設けた発砲スチロール製の全温度測定筒をマイクロチューブ出口部に取り付けマイクロチューブから噴出するガスの全温を測定し,理論出口温度と比較した.その結果測定された全温は理論温度より最大0.5K程度高いことがわかった.現在,両者のずれの原因について数値解析を行い検討している.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の予定では本年度内に実験およびその検証を終わらせる予定であったが,研究実績の概要で述べたように,検証のための数値解析結果との比較が完了していない.しかし,マイクロチューブから噴出する噴流の静温をLIF法を用いて測定できるようになった.また,ガスの全温も全温度測定筒を用いて測定できるようになった.現在,測定結果を検証するため数値解析を行っているところで数値解析結果が得られれば,これまでに得られた結果の取りまとめができる.
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Strategy for Future Research Activity |
今年度が本研究の最終年度なので,今後は 1) 測定結果を検証するため数値解析を7月頃までに終わらせ, 2) 必要があれば追加実験を行い,これまでに得られた結果の取りまとめを行う.
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
当初は海外の二つの国際会議で発表する予定であったが,そのうちの一つが急に国内で開かれるようになったため.また,検証のための数値解析を予定していた実在気体ではなく,まず計算負荷の少ない理想気体として計算したため新たなコンピュータを必要としなかったため. 次年度の研究費は物品費約390千円,旅費約800千円,その他約230千円で,物品費では計算用のコンピュータの購入を予定している.旅費は国内1回,外国2回を計画している.
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Research Products
(2 results)