2013 Fiscal Year Research-status Report
新規代替フロン物質探索のためのスクリーニングデータベースの構築
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24560240
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Research Institution | Iwaki Meisei University |
Principal Investigator |
東 之弘 いわき明星大学, 科学技術学部, 教授 (90183095)
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Keywords | 熱物性値 / 新規代替フロン物質 / データベース / スクリーニング |
Research Abstract |
1. 昨年度から継続して査読付き刊行論文・国際会議プロシーディングス・国内学会発表講演論文集等、公表してきた論文の実測値データの入力を進めてきた。純物質冷媒に関して20物質、混合冷媒に関しては17混合系(それぞれに複数組成のデータが存在するので、実質的な混合系は50種類以上となる)の実測値データの入力を現状終えている。 2.データソースは活用のしやすいようにエクセルファイルを用いて入力してあり、メニュー選択ができるように作られている。流体の基本物性値としては、飽和密度、飽和蒸気圧力、気液平衡圧力である沸点圧力・露点圧力、PVT性質(圧力・体積・温度の3次元関係)、表面張力を対象としている。 3.実測値の挙動を図式的に表現するために、すべてのデータに代表的な線図を描き、データベースに加えてある。グラフ表示に関しては、各研究者毎に利用目的が違うので、有益かどうかは受け取る側で決めるべきことではあるが、数多くの種類の冷媒の中から新規代替フロン物質を探索するためのスクリーニングには図式表示は重要であると考えている。 4.本データベースは、研究代表者の研究室ホームページから、逐次データの更新を行った上で、既に公開している。今後もさらにデータの入力を増やし、利便性をあげるためのソフトの改良も進めていく。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
現状で手元にある情報の入力は、純物質および混合物ともにほぼ終了した。そして、数値情報としてだけでなく、図式的情報としてグラフでも整理し、まとめることができた。また、出来上がったデータベ―スを、試行レベルではあるが大学研究室ホームページを介して一般公開した。 数値データとしてのデータベースだけでなく、あくまでスクリーニングに活用することが最終目的なので、図式表示も重要視している。今回入力した情報に関しては、すべてを図式表現できたので、第一次スクリーニングには十分役に立つデータベースになったものと確信している。 図式表現に関して、混合物の場合は組成の要素が入るために4次元的な表現が必要となり、最低でも3次元表現が適していると当初考えて、3次元グラフ処理を試みていたが、実際に立体的に表現はできても、データベースとしての実質的な活用には不向きであると考え始めている。この点はさらに次年度、研究を進展させる必要がある。以上より、全体計画としてはおおむね順調に進んでいると考えられる。
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Strategy for Future Research Activity |
平成25年度までに構築したデータベースを改善改良し、さらに他研究者のデータも追加入力し、データベースの信頼性向上に努める。 特に臨界定数(臨界温度、臨界圧力、臨界密度)の一覧情報が純物質,混合物ともにまだでき上がっていないので、最終年度の平成26年度中に完成させる計画である。 また、新種の物質が登場した場合に、化学構造式と過去の蓄積データからの経験的な手法を取り混ぜた推算手法が必要になってくる。冷媒が対象物質であるデータベースなので、物質の特性も比較的似かよったものが多いのは事実である。この利点を活用し、限られた物質群であれば、従来以上に精度の高い推算式が開発できるものと確信しているので、開発作業を進めていきたいと考えている。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
1.「旅費」で計上していた予算において、国際会議出張経費で計上していた予算を、他の外部予算での出張で調整がついたために、本予算からの支出を見送った。このために予算が残ってしまった。 2.「その他」で計上していた予算において、特に支出する項目が平成24年度、25年度と該当しなかったために予算が残ってしまった。 両者とも研究に直接の影響はない。 平成26年度配分予算は70万円であり、合計すると約125万円の予算が平成26年度に使用できる。当初計画では、3年目に人件費の計上を行なっていなかったが、データベース構築において、データ入力のために人件費はやはり必要であり、次年度使用額での繰り越し相当分をデータベース構築のために人件費に充当する。 したがって、使用計画としては物品費30万円、旅費40万円、人件費40万円、その他15万円で計画見直しを行う。
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Research Products
(9 results)