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2012 Fiscal Year Research-status Report

太陽熱駆動エジェクター式ヒートポンプの数理モデル構築と最適設計・制御に関する研究

Research Project

Project/Area Number 24560242
Research Category

Grant-in-Aid for Scientific Research (C)

Research InstitutionWaseda University

Principal Investigator

齋藤 潔  早稲田大学, 理工学術院, 教授 (90287970)

Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) 鄭 宗秀  早稲田大学, 理工学術院, 准教授 (00409666)
山口 誠一  早稲田大学, 理工学術院, 助教 (70454030)
Project Period (FY) 2012-04-01 – 2015-03-31
Keywordsエジェクター / 数値解析 / 太陽熱 / ヒートポンプ
Research Abstract

太陽エネルギーの活用は昨今の節電の観点からもその重要性は増す一方である.現在,その利用方法は電気と熱に大きく分類される.太陽光発電は,変換効率は普及機レベルでは未だに20%にも満たない低いものである一方,熱として利用する太陽熱集熱器は変換効率が電気と比較すれば2倍以上あり,そのコストも低下してきている.このため,太陽熱で駆動可能な空調システムが提案できれば省エネルギーに対して極めて有効である.
そこで,本研究ではエジェクター式ヒートポンプを対象とする.本システムは,従来のソープションシステムや蒸気圧縮式ヒートポンプとは異なり,エジェクターによって太陽熱で加熱した高圧の冷媒の力学的エネルギーを冷媒蒸気の圧縮に利用することにより,サイクルを形成するシステムである.
対象とするエジェクター式ヒートポンプでは,運転方法が従来の圧縮式ヒートポンプとは異なるだけでなく,エジェクターがサイクルを形成する主要な構成要素となるため,冷媒の選定を含めた機器の設計・制御手法が極めてシビアなものとなる.また,このヒートポンプは太陽熱を利用するため,時間的に変動する運転状態に対する適切な制御手法の確立が大きな課題となる.
このような課題を解決するために,当該年度は計画通り,エジェクター式ヒートポンプに最適な冷媒の選定作業を進め,効率の観点からR245fa, 炭化水素が適切な冷媒であることを明らかにした.ここでは,シミュレーションで十分に性能を有すことを明らかにするとともに簡易な実験を通じてこれらの冷媒が適切なことを明らかとした.
次に,エジェクターの非定常解析モデルを構築した.ただし,その応答は十分に早いため,システム全体としてはその時間遅れは無視しても大きな問題とならないことが分かった.また,太陽熱集熱器についても非定常解析モデルを構築することにより,変動する運転時の特性を解析可能とした.

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

最終的には太陽熱駆動エジェクターヒートポンプシステムの最適化を実現することを目的に当初の予定通り当該年度は冷媒の選定とエジェクター要素,太陽熱集熱器要素に関連する研究を実施した.
○冷媒の選定:冷媒の種類によりエジェクターの運転条件が2相流と単相流になる場合が発生することをすでに明らかにした.これは,エジェクターの設計方法に多大な影響があるため,この理由を明確化するとともに冷媒種類や混合がエジェクター要素やシステムの性能にどのような影響があるかを簡易なサイクルシミュレーションと実験を実施した.その結果,R245faや炭化水素系冷媒がシステム全体の高効率化の観点から有効であることを確認した.
○エジェクター要素研究:エジェクター内の高速流現象を二相流エジェクターのモデルを構築している中川らの研究等を参考として構築した.また,流動状態を完全に可視化可能でローカルに圧力分布,温度分布を測定可能なエジェクターを作成するとともにその性能を評価した.その結果,シミュレーションで想定していた性能よりは若干性能が低いが,システム全体としてもどの程度の性能が出るかを実験により確認できた.
○ソーラーパネルの非定常実験と非定常数理モデルの構築:ソーラーパネル評価装置を用いて,ソーラーパネルの非定常特性について検討を行った.太陽熱集熱器は,平板型,真空管形,CPC付き真空管形等様々な形状なものが提案され,その変換効率については,多くの検討がなされている.しかし,起動時や天候の急変時のような非定常特性については,十分な検討がなされていない.そこで,非定常解析モデルを構築し,詳細な特性を明らかにできた.ただし,当初の予定の非定常実験が遅れており,至急実施する予定である.

Strategy for Future Research Activity

該当年度に太陽熱集熱器の非定常実験を行うことができなかった.また,エジェクターの性能が当初よりも若干悪い値となっている.前者は単に時間が不足していたためで至急検討を進めていく.後者については,シミュレーションを活用し,改めてどのようにすれば性能が改善されるかを検討したい.それ以外はおおむね順調に研究は進んでいるので,当初の予定通り進める予定である.次年度からは,エジェクター式ヒートポンプに関連するシステムとしての研究と太陽熱集熱器+エジェクター式ヒートポンプの全システムとしての評価・解析を行う.
○エジェクター式ヒートポンプの数理モデルを構築する.申請者が確立してきたエネルギーシステムの統一的非定常解析論にもとづいて数値解析数を実施する.特に機器が停止したり,起動したりするシステムの運転状態が大きく変動する解析が困難な非定常状態の解析を中心に行う.すでに,エジェクター要素以外の解析モデルは構築を終えており,システムの解析は十分に可能であると考えている.
○エジェクター要素をヒートポンプに実際に加えてシステムとしての性能評価を行う.システム評価装置は,エジェクター要素評価装置に若干の改良を加えることで作成可能なようにしてある.太陽熱が変動した場合にも十分な性能が発揮できることが重要であることから,ヒーターによって熱入力が周期的に変動した場合や突変した場合にシステムの挙動がどのようになるか明確化する.
○平成26年度には,太陽熱集熱器とエジェクターヒートポンプを複合した最終的なシステムとしての評価,モデリング,数値解析を行うこととなる.そして,最適な運転制御手法を確立するとともに,確立した制御系の妥当性を実際のシステムで確認する予定である.

Expenditure Plans for the Next FY Research Funding

製作したエジェクターの性能が当初の50%程度にとどまっている.そこで,新たなエジェクターを製作したい.また,該当年度に若干予算の余りも生じたが,エジェクターのさらなる高性能化を実現するために,エジェクターの製作費に充てる.

  • Research Products

    (1 results)

All Other

All Remarks (1 results)

  • [Remarks] 早稲田大学 基幹理工学部 機械科学・航空学科 齋藤研究室

    • URL

      http://www.saito.mech.waseda.ac.jp/latest.html

URL: 

Published: 2014-07-24  

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