2014 Fiscal Year Annual Research Report
太陽熱駆動エジェクター式ヒートポンプの数理モデル構築と最適設計・制御に関する研究
Project/Area Number |
24560242
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
齋藤 潔 早稲田大学, 理工学術院, 教授 (90287970)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鄭 宗秀 早稲田大学, 理工学術院, 准教授 (00409666)
山口 誠一 早稲田大学, 理工学術院, 助教 (70454030)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | エジェクター / 省エネルギー / ヒートポンプ |
Outline of Annual Research Achievements |
前年度には,予算内では,十分な性能を有するエジェクター要素を製作することができるような状況ではないことが確認できていた.そこで,3Dプリンターを利用して安価にエジェクターを製作することを考案し,比較的性能の良いエジェクターを作成することができた.これにより,エジェクター要素をヒートポンプに実際に加えてシステムとしての性能評価を行うことも可能とした. 本年度は,太陽熱集熱器とエジェクター式ヒートポンプを完全に一体化した形で性能評価を実施しようとしたが,十分な時間が取れなかったため,両者を完全には融合した形で性能評価を行うことはできなかった.しかし,太陽熱集熱器,エジェクター式ヒートポンプそれぞれの十分な基礎データを取得することができたため,太陽熱のような低温熱源を駆動源とするエジェクター式ヒートポンプの性能は十分に把握することはできた. 最終的に目指した限界性能に対しては70%程度の性能を得るにとどまったが,この程度の性能でも大学における研究レベルとしていは,十分な性能が得られたと考えている.また,今回詳細なCFD解析も実施したため,さらに性能改善が可能な箇所についても十分な把握ができている状況である. 今回の研究の総括として,太陽熱のような低温の再生可能エネルギーを用いた冷凍機やヒートポンプとしては,これまでは,吸着式冷凍機や吸収式冷凍機を用いることが必要であったため,どうしてもシステムが大型化するとともに低コスト化は困難であった.これに対して,非常にコンパクトに低温熱源での駆動を可能とするシステムを実現できるエジェクター式ヒートポンプが大変有効なシステムであることが明らかにできた.この成果は,今後再生可能エネルギーの利用促進を目指す世界的な風潮の中でその意義は非常に大きいものと考えている.
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