2012 Fiscal Year Research-status Report
柔剛合わせ持つ把持装置を有するスポーツマシンの開発
Project/Area Number |
24560255
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
酒井 忍 金沢大学, 機械工学系, 助教 (80196039)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
坂本 二郎 金沢大学, 機械工学系, 教授 (20205769)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | スポーツ |
Research Abstract |
本研究では,各種スポーツの中でも最も軽量性と高速性が要求されるバドミントンと卓球を対象とした高性能スポーツ用練習機の開発を目的としている.平成24年度は,新型バドミントンマシンの開発を中心に実施した. バドミントンシャトルを把持する新たなシャトル把持装置の設計を行った.把持部は,触覚受容特性が優れる示指(人差指)の指頭部を模倣し,かつペルチェ素子と歯科用印象材を用いて把持部表面の剛性が可変できる構造とする.また,バイモルフ型ピエゾ素子を用いたリンク機構を考案し,回転が自由で位置決め精度が高く,即応性のある精密制御を可能としている. シャトル発射装置としては,回転アームを用いた新たな発射機構を考案し,その設計開発を行った.この発射機構は,野球用のアーム式ピッチングマシンの発射機構を応用したものである.なお,シャトル把持具については,把持具のCAEモデルを作成後,発射シミュレーションを実施し,シャトルの発射速度を目的関数として,シャトルの把持角度,把持部直径などを設計変数として,これらを最適化して製作した. 上述した把持装置を搭載したアーム式バドミントンマシンの発射実験および発射シミュレーションを実施し,マシンの発射性能の評価を行った.その結果,発射シミュレーションによるシャトル発射時の動的挙動はほぼ実験を再現していることがわかった.また,開発したバドミントンマシンは,著者らが既に開発した発射マシンの発射性能と比較して,発射速度がほぼ同等(約200 km/h),目標位置精度は0.3m以内と高く,かつ発射時のシャトル羽根部の損傷がほとんどない高性能バドミントンマシンである.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成24年度の研究目的であるバドミントンマシンについては,新たに回転アーム式のバドミントンマシンを設計,開発し,その発射性能は従来機を超える高性能なマシンが開発できている.
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Strategy for Future Research Activity |
今後は,開発したバドミントンマシンの発射装置をさらに高速化するために,二ローラ式バドミントンマシンの発射装置として,プーリーと二つのVベルトでシャトルのコルク部を挟持し発射する発射機構の設計,開発を実施する. さらに,開発したシャトル把持装置を卓球ボールを把持する装置に改良し,これを二対製作し,既存の卓球マシンをはるかに超える高スピン性能を実現する卓球マシンの設計,開発を行う予定である.
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
バドミントンマシンでは,新たな発射装置の設計,開発費用として,プーリー,Vベルト等の備品を購入する.一方,新型卓球マシンの開発費用として,把持装置の製作,ゴムローラ,モーター,制御機器の購入をする予定である. また,本研究の成果発表のための旅費および論文投稿の費用を計上する予定である.
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