2014 Fiscal Year Annual Research Report
柔剛合わせ持つ把持装置を有するスポーツマシンの開発
Project/Area Number |
24560255
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
酒井 忍 金沢大学, 機械工学系, 助教 (80196039)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
坂本 二郎 金沢大学, 機械工学系, 教授 (20205769)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | スポーツ工学 / スポーツ用具 / バドミントン / 卓球 / 発射機構 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では,初速300km/hを超える実戦的バドミントンマシンおよび高性能卓球マシンの開発を目的とした.本研究目的を達成するには,バドミントンシャトルや卓球ボールの特殊性(複雑形状,軽量性,高速性)に配慮した把持装置および高速発射装置を開発することが必須である. まず,把持部表面の剛性が可変できる柔剛合わせ持つ把持装置の開発を行った.本把持装置は,シャトルのような形状が複雑かつ柔軟なものから硬い材質のものまで,形状や重量によらず種々の物体を把持できる装置である. 次に,対向する二つのローラで,シャトルのコルク部を挟持し発射するバドミントンマシンを開発した.ローラの高速回転に伴い周囲空気の流れが速く,乱れが大きくなるため,シャトルの把持姿勢や発射姿勢が安定をしない.このため,CAEを用いて把持装置の形状,把持位置,把持力,開閉のタイミングを発射シミュレーションも併用して決定した.その結果,シャトルの羽根を損傷させずに約300km/hの高速発射と落下位置誤差0.4m以内の高発射精度を実現することに成功した. 卓球におけるスマッシュの最高球速は約150km/hであり野球とほぼ同等であるが,スピン数は桁違いに高く,スピンパラメータ(球速に対するスピン数)は野球の場合0.2~0.3程度であるが卓球では10倍以上の3.0にも達する.また,回転軸は360゚変化をする.これを実現するために新たな発射法として,二ローラによって並進速度を,二つのジャイロローラによって回転軸とスピン数を任意に選択できる発射機構を考案した.他方,先に開発した把持装置を卓球ボール用に改良を施した.この把持装置と四つのローラによって,一流卓球選手とほぼ同等の高速サーブや高スピンサーブが発射可能となった.開発した卓球マシンは,既存の卓球マシンをはるかに凌ぐ高い性能がある.
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