2013 Fiscal Year Research-status Report
心臓弁膜機能を解析するための複数個所同期心音解析法の確立と診断支援システムの開発
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24560261
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Research Institution | Yamaguchi University |
Principal Investigator |
江 鐘偉 山口大学, 理工学研究科, 教授 (60225357)
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Keywords | 心音採集 / データ解析 / 心疾患の判別 / データベース |
Research Abstract |
本年度では、まず昨年設計試作した4チャンネル心音を採集する聴診服に、心音信号をAD変換した後、無線でスマートフォンに転送するシステムを開発した。ハードウェアの設計とソフトウェアの試作をおおむね完了したものの、実用化するために小型化が必要である。そのための予算確保を今後関連企業と協力して行っていきたい。 心音データを採集については、正常者以外に、心室中隔欠損症(ventricular septal defect)、心房中隔欠損(atrial septal defect)、ファロー四徴症(tetralogy of Fallot)など先天性心疾患(congenital heart disease)についてデータの収集を行った。採集したデータに対して分類整理し、基本データベースの構築を行った。今後は共同研究者同士が研究に共有できるためのシステムの構築とセキュリティー保証について検討する。 心音データ解析においては、正常者および心室中隔欠損(ファロー四徴症)合併症患者、心房中隔欠損(一次孔欠損型+静脈洞型)患者から収集した4か所(大動脈弁A、肺動脈弁P、三尖弁T、僧房弁M)の心音波形にそれぞれの特徴があることに注目し、ウェーブレット解析を施して、超低周波数(VLF)、低周波数(LF)、中周波数(MF)、高周波数(HF)の4つの領域に分解することで、周波数域における心音の特徴パラメータをより正確に求めるアルゴリズムの開発を行い、昨年度開発した心音時間波形の自動分割アルゴリズムと合わせることで、より高精度に心疾患の解析と検出することができる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初予定通り、順調に進んでいる。個人差による違いの検討については、症例データ数が十分でないため、今後データを増やしながら解析を進めていくことになる。
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Strategy for Future Research Activity |
引き続き症例データの採集と心音データベースの構築を行う。実用に向けて、解析精度の向上、クラウド解析機能をもたらせることで、一般患者ならびに医師がインターネットを利用して、個人の健康管理ならびに遠隔診断を実現させる。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
データベース構築に必要な経費は協力企業が一部負担したため 聴診服と計測システムを改良するための試作開発として使用する予定である。
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Research Products
(5 results)