2013 Fiscal Year Research-status Report
大形テンタゲートの長期的安全運転のための動的不安定対策
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24560270
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Research Institution | Ashikaga Institute of Technology |
Principal Investigator |
阿南 景子 足利工業大学, 工学部, 准教授 (30346077)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
石井 徳章 大阪電気通信大学, 工学部, 教授 (40098083)
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Keywords | 機械力学 / 流体関連振動 / 自励振動 / 振動特性 / 動的安全性 / 安全対策 |
Research Abstract |
大形テンタゲート式水門の崩壊事故を二度と繰り返さないために、本質的に動的不安定特性を有するテンタゲートに対して、長期的な安全運転のための具体策を提示するために、理論的な解析、安全対策手法の検討、モデル実験を行った。 (1)実用テンタゲートの微小開度放水時の振動特性計測:平成24年度に動的安全性を確認した実用テンタゲートについて、微小開度放水時の振動特性の確認行った。申請者らの導いた動的安定判別解析に基づいて安全性を確保した上で、ごく微小開度での放水に立会い、安全性の確認を行った。問題となるような振動はまったく発生せず、ゲートの運用開度を広げることができた。 (2)動的不安定性の理論的な解析と対策の検討:ゲートの固有振動特性に基づいた理論解析により、摩擦の閾値を越えて自励振動が発生する初期変位量を算定した。初期変位量はもちろん水位、開度等の条件によって変化する。実験と理論により、初期変位量がどのように変化するのかを調べている。さらに、発生し得る動的不安定に対する長期的な安全対策手法について検討を進めている。どのような方法で安定化を図るのが最も効率的であるかを継続して検討しているところである。理論解析とFEM解析を併用し、ゲートのどの部分に減衰器を取り付けるべきか、または補強すべきかを検討している。 (3)大形および中形の三次元モデルゲートを用いた実験:検討した動的不安定に対する対策について、大形と中形のテンタゲートの三次元モデルを用いた実験を実施している。ゲートを巻き上げるワイヤーのばね定数を変更することで安全性を確保する方法について、実験を継続中である。 (4)実用テンタゲートへの適用:動的不安定に対する対策の実用テンタゲートへの適用するため、関係各所との連携を進めてきたが、実施には至っていない。 (5)研究成果の発表:モデル実験で得られた成果を国内外で発表した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
(1) 実用テンタゲートの微小開度放水時の安全性確認:実用テンタゲートのごく微小開度放水時の動的安全性を確認した。当初計画に含まれていない実験であったが、実用テンタゲートの安全性の確認を行うことができた。当初計画にない進展である。 (2) 動的不安定性の理論的な解析:実験結果と理論解析に基づいて、摩擦の閾値を超える初期変位量を計算し、テンタゲートの長期的安全運転を確保するための対策を検討している。理論解析とFEM解析を併用し、ダンパーや補強部材の取り付け位置を検討しているところである。解析の結果を理論解析にフィードバックして、最も効果的な安全対策手法を検討する予定である。おおむね順調に進んでいる。 (3) 大形および中形の三次元モデルゲートを用いた実験:ゲートを巻き上げるワイヤーのばね定数を変更することで安全性を確保する方法について、理論解析とモデル実験により検討を進めている。比較的簡単に安全を確保できる方法と考えている方法である。実験による基本的な検討できており、詳細なデータを収集しているところである。ゲートの設計基準等と照らし合わせながら、ばね定数等を決定しているところである。また、(2)で検討している対策方法についても、モデル実験で確認を進めようとしている。おおむね順調に進んでいる。
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Strategy for Future Research Activity |
(1) 動的不安定に対する対策の検討:平成24年度、25年度の研究成果をもとに、具体的かつ現実的な手法を検討する。たとえば、大形テンタゲートの構造を補強する場合、付加する補強材が多くなると、費用等の問題も生じるため、実現はかなり難しくなる。できるだけ少ない部材で最も効率的に補強が行えるよう、補強する場所、補強材の形状、材質等を検討する。さらに、大形テンタゲートに減衰器を取り付ける場合には、かなり大きな減衰器が必要になる。減衰器の構造、材料等についても検討し、実現可能な減衰器の構造を検討する。 (2) 大形および中形の三次元モデルゲートを用いた実験:検討した動的不安定に対する具体策について、大形と中形のテンタゲートの三次元モデルを用いた実験を行う。検討結果に基づいた補強、および、減衰器を取り付けたモデルを作成し、その効果を確認する。 (3) 実用テンタゲートへの適用:動的不安定な実用テンタゲートについて、モデル実験でその有用性を確かめた対策を適用するための準備を引き続き行う。複数の案を提示し、関係各所で理解が得られるよう説明会等を実施する。理論解析、FEMによる解析および安全対策手法に関する追加のモデル実験等を十分に行い、理解が得られ次第、実用テンタゲートへの適用を実施する。 (4) 実用テンタゲートの動的安全性確認:実用テンタゲートの振動実地調査を行い、その動的安全性を確認する。必要に応じて検討中の安全対策を提案する。 (5) 研究成果の発表:得られた研究成果を国内外で発表する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
実用テンタゲートの動的安全性確認のための振動実地調査を平成25年度2月から3月上旬に予定していた。しかしながら、上流側貯水池水位の問題、ダム管理者側の工事の都合等により、実地調査時期が4月にずれ込んだ。 上記事由により、平成25年度予算のうち、90,566円を振動実地調査旅費として、平成26年度に使用することとした。 なお、平成26年度助成金で実験後の解析、実験室での追加実験等を行う計画である。
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Research Products
(5 results)
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[Journal Article] Method for Identifying Dynamic Instability of Tainter Gates2013
Author(s)
Anami, K., Ishii, N., Knisely, C.W., Tsuji, T., Oku, T.
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Journal Title
Hydro Review Worldwide
Volume: Vol.21, No. 6
Pages: 34-39
Peer Reviewed
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[Presentation] Dynamic Stabilization of Folsom Dam Tainter-Gates by Replacing Hoist Chains with Cables2013
Author(s)
Anami, K., Ishii, N., Knisely, C.W., Oku, T., Tsuji, T.
Organizer
11th International Conference on Flow-Induced Vibration
Place of Presentation
Lisbon, Portugal
Year and Date
20130909-20130912
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[Presentation] Steel-Rod Breaking Excitation Method to Identify Dynamic Instability of Full-Scale Tainter-Gates2013
Author(s)
Anami, K., Ishii, N., Knisely, C.W., Tsuji, T., Oku, T.
Organizer
Hydro Vision 2013
Place of Presentation
Denver, CO, USA
Year and Date
20130723-20130726
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