2013 Fiscal Year Research-status Report
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24560278
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Research Institution | Meiji University |
Principal Investigator |
松岡 太一 明治大学, 理工学部, 講師 (80360189)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
平元 和彦 新潟大学, 自然科学系, 准教授 (00261652)
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Keywords | 係数励振 / ダンピング / 制振 / 時間遅れ / 立ち上がり時間 |
Research Abstract |
振動抑制装置(セミアクティブダンパ)は,制御時に信号を送ってから機械的性質が変わるまで立ち上がり時間の遅れが必ず生じる.本研究では,この機械的な時間遅れの改善を目的に,係数励振を利用することでメカニカルに改善を図るものである.2012年度は,電磁抵抗型のセミアクティブダンパを設計し装置を製作した.加えて,リレー回路を用いたコントローラを用いて,加振実験によって装置単体の抵抗力特性および時間遅れを調べた.なお,装置の製作は研究代表者と本学院生および学生が当学内工作工場において,および実験は同院生および同学生が担当した.リレー回路を用いた直流モータ,三相ブラシレスモータ,同期・非同期交流モータを試したがどれもあまり改善傾向が見られなかった.そこで2013年度は,電流制御器を用いて実験を行った.まず,ダンパが目標通りの定常応答を実現するかを確かめるために,等速加振において係数励振を用いた場合および比較のためステップ入力時,オーバーシュート入力時の抵抗力の立ち上がり時間を測定した.加えて,一次遅れ系を考慮したシステムを考え理論式の導出を行った.それらの結果から,既存のステップ応答時よりある程度の改善が図られたことを確かめた.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
これまでに,理論式の導出,および検証実験を終えている.理論式の導出においては,ダンパの減衰力立ち上がり挙動を一次遅れ系と仮定し、係数励振をした場合の定常応答理論式を求めた.また,その理論式から係数励振した際の励振振動数および振幅の最適条件を求めることができた.次に,それらを検証するため,理論から得られた条件にダンパを調整し,減衰力立ち上がり時間測定実験を行った.本実験は当学研究室内のサーボ型疲労試験機を用いて行った.実験の結果,係数励振をした場合の立ち上がり時間は,係数励振していないステップ応答時の立ち上がり時間に比べて半分程度早くなることがわかった.また励振のタイミング(位相)においても最適値があることがわかった.以上から概ね計画通りに遂行し,成果が挙がっていると言える.
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Strategy for Future Research Activity |
2014年度は最終年度となるため,最終確認と成果発表を行う予定である.解析の妥当性を検証するためにこれまで一次遅れ系としたものを二次遅れ系と仮定し,係数励振をした場合の定常応答理論式を検討する.その際の最適条件を導出したい.理論から得られた励振条件を変えて再度実験する際に,精度良く計るために高速バイポーラ電源を用いて,より細かなサンプリング周期での立ち上がり時間を測定する. また,ある程度の研究成果が得られたので,日本機械学会 機械力学・計測制御部門講演会Dynamics & Design Conference 2014,および計測自動制御学会の国際会議SICE 2014に講演発表する予定である.
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
2013年度においては,研究成果発表ができるほどの成果が得られず、学会等の講演発表および論文投稿が予定より少なかった.そのため,旅費,参加登録費および論文投稿料に残余金が生じた. 繰越分については旅費,参加登録費および論文投稿料に無駄の無いように充当する予定である.既に,国内会議、国際会議への講演申込を済ませている.
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Research Products
(9 results)