2014 Fiscal Year Annual Research Report
熱音響システムの高効率化のためのハニカムセラミックスの検討
Project/Area Number |
24560281
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Research Institution | National Institute of Advanced Industrial Science and Technology |
Principal Investigator |
小塚 晃透 独立行政法人産業技術総合研究所, 先進製造プロセス研究部門, 主任研究員 (60357001)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
安井 久一 独立行政法人産業技術総合研究所, 先進製造プロセス研究部門, 主任研究員 (30277842)
坂本 眞一 滋賀県立大学, 工学部, 准教授 (40449509)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 音響 / 熱音響 / 振動 / エネルギ変換 / ハニカムセラミックス / 3Dプリンタ / ヒートポンプ |
Outline of Annual Research Achievements |
熱音響システムは、熱と音響のエネルギ変換システムである。多数の微細孔を有する熱音響変換素子に音波を放射すると、微細孔中の媒体が膨張(冷却)・収縮(加熱)することで、微細孔の中で熱の移動を行うことが可能である。 本研究では、熱音響変換素子に着目して研究を進めてきた。多くの研究で用いられているハニカムセラミックスは、薄い壁と均一な貫通する微細孔を有する点が優れているが、既製品から選択することしかできない。本研究では、ハニカムセラミックスに代わる新たな熱音響変換素子について検討した。これまでに金網の積層体や微細ガラス管を束ねた素子、そして3Dプリンタを用いた樹脂素材による素子について、熱音響変換素子として評価してきた。平成26年度は、3Dプリンタを用いてスリット形状の微細孔にひねり(スパイラル形状)を加えた素子の製作を試み、素子の両端に発生する温度差を評価した。 3Dプリンタを用いれば、自由な形状の熱音響変換素子をコンピュータのCADで設計して製作することができる。今回作成した素子は、内部にスリット構造を有し、かつスパイラル状にひねりを加えた素子である。ひねり角度の異なる3種類の素子を試作し、定在波音場中で素子の両端に発生する温度差を評価したところ、ひねり角度が大きい方が、より高い温度差を得られることが確認された。ひねることにより表面積が増加し、熱交換が効率的に行われたためと考えられる。 3Dプリンタによる造形では、微細な造形が困難であり、また材料の耐熱性が低いなどの問題がある。熱音響システムは高効率化のために大型化することが予想され、その際には細かい造形は問題ではないと考えられる。また、3Dプリンタは多様な材料を用いるものが開発され、石膏を材料とするものも実用化されている。このような耐熱性を持つ材料を用いれば、熱音響エンジンにも使用することが可能と考えられる。
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