2013 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
24560282
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Research Institution | Muroran Institute of Technology |
Principal Investigator |
花島 直彦 室蘭工業大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (40261383)
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Keywords | 湿原調査 / 丈長密生植物 / 移動ロボット / 螺旋機構 / 脚式ロボット / 歩行シミュレーション |
Research Abstract |
湿原保全のためのフィールド調査は人手で行われており,大変な労力と時間を要する.我々は,湿原特有の丈長植物の密生地を,湿地に埋没することなく,草をなぎ倒さずに進める機構として,二重螺旋推進機構を提案している.この機構の実現には螺旋パイプの外周を保持しながら回転させる仕組みが必要である.昨年度の研究では,試作した螺旋パイプ回転装置によって螺旋パイプを回転し,この運動をモーションキャプチャーシステムにより計測した.その際,螺旋パイプの特定の場所にマーカーを3つ工夫して取り付けることで,螺旋パイプの位置と姿勢を計測する手法を確立した.解析の結果,試作装置により安定した回転の実現が確認できていることを示せた.この研究成果を論文にまとめ,学術雑誌に投稿中である. 螺旋を安定に回転できる装置の開発に目処が立ったため,研究計画を前倒しし,螺旋パイプ回転装置を搭載するための移動ロボット本体の開発に着手した.このロボットは4脚を有し,螺旋パイプを足場として安定な静歩行を行う.螺旋パイプの形状を利用し,脚を持ち上げることなく,遊脚相をつくれるという特徴を持つ.このロボットの運動学モデルを構築し,脚の移動範囲や荷台部分の運動について解析的に考察をした.さらに,3次元動力学シミュレータにロボットを構成し,歩行シミュレーションを行った.また,歩行時に脚にかかるトルクや力を計測し,ロボットの設計仕様を設定した. このような考察を元に実験的にロボットの動作を検証するための実験機を設計,製作した.ロボット全体の開発には相当の費用がかかるため,1/2モデルを設計し,動作確認を行う.今年度は,荷台と脚を動かす機構までを製作した.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
螺旋パイプの回転装置については,モーションキャプチャーシステムを用いた実験的な解析によって,安定な回転が実現できている事を実験的に示すことができた.これにより,研究目的を達成できた. それに加え,回転装置を搭載するためのロボット本体の設計,動力学モデルの構築,動作シミュレーションを行い,さらに実験のための1/2モデルの設計製作に取り組んだ.研究の達成度としては,当初の計画よりも進んだ内容に着手できたといえる. しかしながら,昨年度の報告書の「今後の研究の推進方策」の項目に記載した,1/2モデルの動作には至っておらず,おおむね順調であるという評価に至った.
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Strategy for Future Research Activity |
平成25年度は,室内に湿原移動ロボットの1/2実験モデルと模擬環境の構築を目指したが,ロボットの設計や動作解析に時間を割いたため,実験モデルの動作には至っていない.そこで,平成26年度は,引き続き1/2モデルのロボットの製作に取り組む. まず,脚を動かす部分のモータ制御を確立する.次に,1/2モデルに搭載する脚部分を設計製作する.その上で,逆運動学モデルにもとづき,脚先端を螺旋パイプの任意の場所に位置決めできるようにする.このような制御手法が確立した後で,1/2モデルを螺旋パイプの上で動作させる実験を行い,提案するロボットの性能の検証を行う.
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Research Products
(3 results)