2013 Fiscal Year Research-status Report
ビヘイビアコンポーズドによる人工生物の複合・複雑行動の獲得
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24560283
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Research Institution | Kitami Institute of Technology |
Principal Investigator |
渡辺 美知子 北見工業大学, 工学部, 准教授 (50509289)
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Keywords | 人工生命 / 物理エンジン / 人工ニューラルネットワーク(ANN) / 遺伝的アルゴリズム(GA) / 自律行動 / 協調行動 / 機械学習 / 進化計算 |
Research Abstract |
本研究では,単に人工魚などの遊泳という一つの行動獲得を行うのではなく,遊泳であっても身体の泳動,推進力を利用した単なる慣性による前進,ヒレによる遊泳,等の複数の行動を自身と環境の状況に合わせて選択しながら行動する複雑な行動獲得を目指すものである.一つ一つの単一のプリミティブな行動をビヘイビアシンプルと名付ける.ビヘイビアコンポーズドは,ビヘイビアシンプルを複雑に組み合わせた複合行動といえる.ビヘイビアコンポーズドを実現するには,ビヘイビアシンプルをニューロイボリューションで獲得する必要がある.その上で,スイッチングニューロンをニューロイボリューション(EANN)で学習・進化させる.スイッチングニューロンは,各EANNへの選択プライオリティを出力するように学習が行われる. 生物は,体内に何らかのリズム生成機構を持っていることが知られている.これ迄のEANNによって獲得される人工生物の行動には,周期関数となる出力が得られる結果が殆どである.これらの経験を踏まえて,あらかじめリズムの生成を行う人工ニューラルネットワークを従来のコントローラとして使用している人工ニューラルネットワークと組合せ,その両者を同時にEANNで学習させる新しいコントローラの導入が必要である. 本年度は,25年度の研究を引き続き行うと同時に,セントラルパターンジェネレータ(CPG)とニューラルネットワークをユニット化した,リズム生成をもつニューロコントローラの実装を試みた. CPGの結合ウエイトは多くの研究では予め決められたものを使用するが,本研究ではCPGの結合ウエイトの大きさもEANNによって学習する点が独創的である.このようなCPGをもつニューロユニットを組み込むことにより,二足歩行や四足歩行の人工生物モデルのビヘイビアシンプルのスムーズな行動獲得及び学習時間が短縮されることを検証した.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
現在までの研究では,四足歩行の犬モデルや二足歩行の恐竜モデルを三次元物理空間内にモデリングし,単一タスクを実現するためにニューロイボリューションで様々な行動獲得を行った.具体的に犬モデルでは,1)犬モデル自身の体重を支えながら四足で立っている状態,2)身体のバランスを崩さずに歩行行動をしている状態,3)身体のバランスを崩して地面に転んだ状態,4)転んだ状態から起き上がって四足で立っている状態,5)リラックスして地面に寝転がっている状態から起き上がって四足で立っている状態,6)四足歩行で自律的に目的地へ向かって歩行する状態などが挙げられる.また,恐竜モデルでは,1)巨大生物の恐竜モデル自身の体重を支えながら尾と二足で立っている状態や完全に二足で立っている状態, 2)恐竜モデルの身体のバランスを崩さずに歩行行動をしている状態,3)身体のバランスを崩して地面に転んだ状態,4) 転んだ状態から起き上がって立っている状態,5)恐竜モデルの尾と二足,あるいは二足のみで自律的に目的地へ向かって歩行する状態などが挙げられる. ここで獲得された単一のプリミティブな行動をビヘイビアシンプルとし,これらを複雑に組み合わせることで複合行動が得られるビヘイビアコンポーズドが構成される.その結果,犬モデルや恐竜モデルが地面から立ち上がって,目的地に向かって歩き,途中で転んで,再び起き上がり,再び目的地へ向かって歩き,最終的に目的地へ到着するなどの行動獲得が実現可能となった. 本年度は,セントラルパターンジェネレータ(CPG)とニューラルネットワークをユニット化し,四足歩行の犬モデルと二足歩行の恐竜モデルにリズム生成をもつニューロコントローラを実装することでスムーズな歩行行動が獲得されることを検証した.また,CPGの結合ウエイトの大きさもEANNによって学習した.
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Strategy for Future Research Activity |
平成24年度および25年度に行った四足歩行犬モデルと巨大生物の恐竜モデルの研究を精査し,また,CPGを組み込んだビヘイビアコンポーズドの有効性を調べる検証を実施する.特に,CPGを組み込んだビヘイビアコンポーズドの実験では,スイッチングニューロンとビヘイビアシンプルの同期方法が明らかではないため,実験によってこの点も明らかにする.また,これまでに得られた成果を国内外の学会誌に投稿し,成果を積極的に公表する. なお,各年を通して得られた研究成果については,日本機械学会ロボティクス・メカトロニクス部門大会,精密工学会全国大会,計測自動制御システムインテグレーション等の国内学会や,IEEE SMC(System, man, cybernetics)国際会議,IAS国際会議,ANNIE国際会議等を通して,積極的に公表する.
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
H24の初年度は,備品の物理演算高速制御装置が予定額より数万円下回ったために残額が生じた.更に,H25年度は,旅費,人件費・謝金などで残額が生じた,これらの残額は,本年度の各学会参加のための旅費として使用する予定である. 旅費200,000円と本年度の残額分 Intelligent Autonomous Systems (IAS-13),2013年度精密工学会秋季大会,計測自動制御学会システムインテグレーション部門講演会(SI2014) 人件費・謝金100,000円 外国語論文校閲 その他100,000円 研究成果投稿料
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Research Products
(19 results)