2013 Fiscal Year Research-status Report
しゃくとり虫型変形を利用した超音波モータとその応用に関する研究
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24560284
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Research Institution | Akita University |
Principal Investigator |
長縄 明大 秋田大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (70271872)
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Keywords | 超音波モータ |
Research Abstract |
平成25年度は,平成24年度に引き続いて,しゃくとり虫型に変形する弾性材を設計・制作し,その性能を評価した.使用する圧電素子は,3×4mmの断面積を変えず,長さを20mmから10mmに小さくした.その理由として,接着部を含め,適切な変形量が得られればモータとして十分な性能を出すことができると考えたためである.具体的には,弾性材の初期形状がモータ性能に与える影響が不明であったため,平面型,三角型,アーチ型の3種類の形状を設計し,変位拡大率や周波数特性,またロータの回転や,新規にスライダを直線移動させる実験装置を設計制作し,駆動性能を評価した.その結果,いずれの弾性材においても変位拡大率や周波数特性は,加工誤差などの影響により,設計時より小さくなったが,昨年度の問題点であった接着の問題も改善され,ロータを回転させることのみならず,スライダを直線的に駆動することができ,モータとしての汎用性の高さを確認することができた.また,弾性材の形状が性能に与える影響については,ほとんど差がなかったが,変位拡大率は平面型が最も大きかった.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
平成24年度に引き続き,弾性材の設計(見直し)を行っていたため,当初計画に挙げていた印加波形による駆動方法を十分に検証できなかったためである.その一方で,ロータのみでなくスライダを駆動できたことは,本モータの汎用性の高さを示す結果であると考える.
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Strategy for Future Research Activity |
しゃくとり虫形に変形する弾性材をロータやスライダに押し付ける与圧値が一定にならないため,実験を行うたびに性能が異なる問題点がある.このため,弾性材および圧電素子を固定するブロック全体に,バネ要素を組み込み,任意の与圧値に調整できるような装置に改良する計画である.さらに,本モータは,圧電素子の伸びにより変形する弾性材を,駆動する物体に接触させる原理のモータであり,これを繰り返すことにより,物体を移動させることができる.このため,1回の接触により物体がどれくらい移動するかがわかれば,目標位置に移動させるために必要な繰り返し回数を逆算して求めることができる.これにより,センサを用いることなく,物体を目標位置に移動させることができるため,昨年度に引き続いて駆動方法を検討する.また,本モータの応用として,球体駆動装置の構成について検討を行う予定である.
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
平成25年度は,実験装置における弾性材の見直しに多くの時間を費やし,成果発表などを行わなかったために次年度使用額が生じた. 26年度が最終年度であるため,実験に必要な部品の購入や成果発表の旅費として使用する計画である.
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