2014 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
24560285
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
木村 仁 東京工業大学, 理工学研究科, 助教 (60376944)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 繊毛アクチュエータ / 柔軟アクチュエータ / 柔軟移動ロボット / 繊毛ロボット / 水力学的骨格 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は繊毛ロボットに用いる小型大流量多分岐式機械式弁の改良と、繊毛ロボットの旋回動作の実現に向けての開発を行った。改良した機械式弁は他の市販弁(SMC製:SY113Aが重量1g当たりの流量が 0.92 l/min・gであるのに対し、本試作機は2.39 l/min・gと高い性能を示した。また、提案機構は弁部分が積層式となっていて、積層する数を増やせば多数の管路をモータ一つで駆動できるため拡張性が高く、流体圧を利用する機械システムに対して応用しやすいという特徴もある。また、カムを利用して複数の弁を同時に制御するため、複数管路を一定のパターンで切り替えて動作させる繊毛ロボットなどのシステムにも適応性が高い。 本機械式弁を利用して、昨年度新たに開発したZ字型一気室繊毛アクチュエータを2 mm 厚のアクリル板に16個搭載し、アクチュエータ2個一組を一列として左右に二列配置することで、左右のアクチュエータ群を独立に駆動可能な繊毛移動ロボットを試作した。この試作ロボットの駆動実験を行ったところ、直進動作および左右への旋回動作が実現できた。通常の繊毛ロボットは繊毛部分が硬いものが多く、繊毛の根元部分をまとめて動かすためにこのような旋回動作は実現しにくい。本提案機構は各繊毛が柔らかく独立に動作可能なため、繊毛移動機構では実現が困難だった左右への旋回動作を実機で可能にした。また、本体を柔軟な袋状構造で製作し、バッテリ駆動のマイクロコンプレッサによる繊毛アクチュエータ移動ロボットを試作し、完全自立走行も実現した。 今後はこの柔軟な自立柔軟繊毛移動ロボットに能動関節を搭載し、本体幅が可変で、配管内などで自立的に上下左右への方向転換を可能にするロボットの実現を目指す。
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