2013 Fiscal Year Research-status Report
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24560290
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Research Institution | Gifu University |
Principal Investigator |
毛利 哲也 岐阜大学, 工学部, 准教授 (40418728)
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Keywords | 知能機械 / 知能ロボティックス |
Research Abstract |
遠隔地における人と人、人と物体とのインタラクションには、音声や映像だけでなく力覚通信が重要な課題である。力覚通信を実現するためには、入出力デバイスとなるハプティックインターフェイスが重要になる。本研究は、多指ハプティックインターフェイスを用いて人間型ロボットハンドを遠隔操作することを目的とする。多指を用いた遠隔操作では、ハプティックインターフェイスとロボットハンドの構造の違い、多点力覚提示による通信量の増大等の問題が生じる。そこで、遠隔操作を実現するため、操作者の作業意図に基づくロボットハンドの制御方法、通信情報の軽減手法、予測した力覚と視覚の同時提示法を提案し、その有効性を検証する。 平成25年度は、前年度の研究成果を基に作業意図の解析、視覚と力覚の同時提示について研究を実施した。作業意図の解析では、操作者の指先位置、指先力、物体の位置姿勢から操作者の作業意図をリアルタイムで解析し、作業に応じて人間型ハンドロボットのハンド部とアーム部の制御を切りえる手法を提案した。音声認識による非常時の緊急停止や作業意図の入力もシステムに実装した。これらにより、ロボットハンドの遠隔時の操作性や安定性が向上した。視覚と力覚の同時提示では、遠隔操作における力覚と視覚を同時提示するため、遠隔地の外部環境を2台のCCDカメラおよび深度センサにより立体視可能なシステムを構築した。遠隔操作において力覚だけでなく、視覚情報も同時に提示可能となり操作性が向上した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成25年度に目標と設定した作業意図の解析、ロボットハンドの映像と力の同時提示について研究を進めた。実験機のトラブルにより研究の一部に遅れは生じたが、研究課題の大半を計画通りに進めている。
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Strategy for Future Research Activity |
前年度までに得られた結果を基にし、平成26年度は送受信データの圧縮、海外との遠隔操作実験の研究実施を計画する。送受信データの圧縮では、指先力と指先位置を相互に送受信するため、これらのデータの圧縮方法を検討する。指先の位置・力情報から物体情報への変換、差分法による圧縮を比較評価する。海外との遠隔操作実験では、これまでの提案手法の有効性と問題点を明確にするため、日本との通信遅延が顕著な海外との遠隔操作実験を行う。これまでに日本とリトアニア間で実施した予備実験に基づいてシステムを調整し、CGシミュレーション上の人間型ロボットハンドおよび実機による遠隔操作実験を実施する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
実験環境を整備する物品の調達に時間を要して当該年度に購入することができなかったため、次年度使用額が生じた。 次年度の助成金と合わせて、実験機の保守のためロボットハンドおよびロボットアームの機構部品、モータ、電機部品を購入する。また、実験環境構築や疲労度測定のための実験機器を購入する。やさらに、前年度までに得た研究成果を外部へ発表するため、国内・海外への旅費および学会等の参加費、英文校閲費を予定する。
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