2014 Fiscal Year Annual Research Report
脊椎形状に着目した分類による人体振動特性と人体振動モデル構築にむけての検討
Project/Area Number |
24560300
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Research Institution | Tokyo Metropolitan University |
Principal Investigator |
玉置 元 首都大学東京, 理工学研究科, 助教 (60315752)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
吉村 卓也 首都大学東京, 理工学研究科, 教授 (50220736)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 人体機械システム / 人体振動特性 / モデル化 / 生物・生体工学 / 機械力学・制御 |
Outline of Annual Research Achievements |
将来的に日本人の成人標準振動特性を把握する事を最終目的に,本研究では日本人を被験者とした振動特性の測定を行い,人体振動特性を把握する事,またそれを元に人体モデルの雛形を検討する事を目的とする. まず,座位姿勢を表現するために,近年発行された加振実験時の着座人体の姿勢表記に関するISOテクニカルレポート(ISO/TR 10687)に基づく腰椎湾曲など3指標値と,本研究独自の骨盤傾斜など3指標値を導入した.姿勢違いの加振実験時の被験者の姿勢を測定し,座位姿勢を良好に表現できる事を示した.これらの指標値は,再現性のある実験の実施,他の実験との比較,実環境への標準振動特性の適応において有用である. 頭部の加速度伝達率と座面での駆動点動質量の測定を行い,共振周波数,共振振幅比に着目し振動特性を検討した.申請時に予想したグループ分けは,必ずしも明確でない事がわかった.代わりに振動特性と提案した姿勢指標値との相関の検討から,鉛直方向は,1次共振周波数と腰椎湾曲及び骨盤傾斜との相関が高く,更にそれらの指標値と体重で各1次共振の周波数と振幅比を精度良く推定できる重回帰式を得た. 最終年度は,新しい加振機を用いたより良い実験環境を構築し実験を行った.新たに水平方向(前後,左右)の振動特性と,振動特性と姿勢指標値との関係を検討した.水平方向は共振振動数と姿勢に顕著な関係性が見られないが,各1次共振振幅比は鉛直方向と同様に腰部付近の形状との関係が高い事がわかった. 各方向の振動特性の特徴,姿勢との関係は,日本人の振動特性を国際規格に反映でき,また車の設計時に人体振動特性を考慮したり,労働者への影響を客観評価できる様な基礎データとなる.なお,予定より被験者数が少なく,モデルも一部振動特性を表す重回帰モデルであり,構築した大型加振台を用いた実験環境を利用し,得られた結果を今後も引き続き検討していく.
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