2013 Fiscal Year Research-status Report
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24560302
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Research Institution | Chuo University |
Principal Investigator |
大隅 久 中央大学, 理工学部, 教授 (00203779)
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Keywords | 建設ロボット / ホイールローダ / 堆積土砂 / 自律制御 |
Research Abstract |
2013年度は,バケットから崩落する土砂の動的挙動を計測するための画像システムを高速度カメラを用いて構築し,これまで目視で行っていた崩落斜面角の計測精度を高めるとともに,計測のサンプリングも非常に短くすることが可能となった。これを用いて,再度間欠的な崩落挙動を示すバケット内の堆積土砂の崩落開始角度,崩落の停止角度を画像処理により計測した。岩石として4mm立法程度のサイズの花崗岩,及び細かい珪砂を利用し,崩落条件として,土砂を空けるためのバケット回転速度を変化させ,計測を行った。その結果,どちらの土砂においても速度が速くなると間欠的な挙動ではなく連続的な崩落となること,珪砂においては連続的崩落を起こす際のバケット回転速度が花崗岩と比較してかなり小さくなることが明らかとなった。一方,バケットから下方に向けて落下する土砂の挙動についても計測を行った。その結果から,落下する土砂がバケット先端から離れる瞬間の初速度が,シミュレーションモデルと比較して小さく,前方への飛び出し量が小さくなっていることが明らかとなった。前年度の実験結果と考え合わせることで,堆積土砂挙動の再現には土砂の動的挙動を組み込んだモデルが必要となることが確認された。また,堆積土砂で任意形状を形成するには,間欠的崩落を考慮に入れた方法,バケットの回転角速度をある程度速くして連続的に崩落をさせる方法,更に,カメラを利用し,画像情報のフィードバックによる崩落現象の制御といった方法等が考えられる。2014年度は動的挙動を組み込んだシミュレーションを完成させ,上記崩落方法を適用して所望の堆積形状を得るための制御アルゴリズムを構築し,実験によりその有効性を検証する。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
前年度に予定していたカメラによる画像計測システム構築が2013年度にずれこんだため,動作生成アルゴリズムの構築が若干遅れている。
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Strategy for Future Research Activity |
2013年度まででモデル化は動的要素の組み込みを除きほぼ完成しており,動的挙動に関してもこれまで得られた知見から,動摩擦と静摩擦の使い分けで退席形状のシミュレーションは可能と見込まれる。また,落下アルゴリズムの提案自体は容易である。ただし,土砂実験はミクロで見ると再現性が良いとは言えないため,妥当性の検証が困難となる可能性がある。その場合には,画像フィードバックの積極的導入も検討する予定である。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
前年度からの実験システム構築の遅れにより,実験準備が遅れている。このため,実験装置関連への使用が予定よりも遅れている。また,調査旅費による学会視察が予定通り実施できなかった。 主に,堆積土砂形状制御のための実験システム構築に,フィードバックのためのカメラ,制御ボード,機械部品製作費等,及び,調査及び発表のための旅費の支出を予定している。
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