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2012 Fiscal Year Research-status Report

リニア発電エンジンの研究開発

Research Project

Project/Area Number 24560310
Research Category

Grant-in-Aid for Scientific Research (C)

Research InstitutionMeijo University

Principal Investigator

大道 武生  名城大学, 理工学部, 教授 (20340292)

Project Period (FY) 2012-04-01 – 2015-03-31
Keywordsリニアエンジン / リニア発電機 / グリーンメカトロニクス / 可変ストローク
Research Abstract

1.研究の目的に関する成果
グリーンメカトロニクスの考えに基づき,ピストンの往復運動を直接電力に変換する新概念のリニア発電エンジンシステム(ICELG)を具体化した.そして,効率向上のための多様な運転を実施することで,高い効率が得られることをシミュレーションによって確かめた.
2.平成24年度の研究内容と成果
・発電システム設計と高効率化運転:ICERGの吸気弁,排気弁機構,リニア発電・モータ機構,および,エンジンと蓄・放電系を統合化した制御システムを設計し,電気系を含めたシステムモデルを構築した.また,4サイクルエンジンでは,燃焼,排気,吸入,圧縮の各工程におけるストロークと速度を最適化することで高効率化できるという仮説を構築した.そして,燃焼行程ではストロークを最大化することによるガスエネルギーの利用効率向上,排気行程では排気バルブ損失を減じるための低速排気化,吸気行程ではストロークの最小化とモータ効率を最大化する吸入速度の制御,圧縮行程では圧縮動力を最小化するための速度の適正化とピストン慣性エネルギーの回生制御を行うことで,高効率化を達成できることをシミュレーション計算によって示した.また,この運転効率が,従来エンジンよりも優れていることを確かめた.
・シミュレーションと模擬実験装置検証:シミュレーション精度を確かめるための模擬実験装置を設計し,基本動作を確認した.その結果,試験装置を構成する機器レベルでの範囲では,その特性がシミュレーション計算と概ね一致することを確認した.導入したリニア発電・モータとドライバの特性が把握しきれていないところがあるので,連続工程運動試験によるシミュレーション精度の検証が実施できていないが,当初の目標である定性的効率比較の範囲では目標を達成できたと判断する.

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

24年度の成果目標は,リニア発電エンジン機構,および,制御システムが実現できることを示すこと,同発電エンジンの高効率運転法を抽出すること,また,エンジン効率を計算評価できるためのシミュレータを構築することであった.
・リニア発電機構は従来エンジンの構造をベースにして,クランクを排除し,リニア発電モータを付加することで実現できることを,模擬実験装置の試作を通じて確認できた.また,発電エネルギーを回生電力としてキャパシターに充電し(降圧制御),その他の工程の運動を行うためのモータエネルギー(昇圧制御)として活用することによって,継続的運転制御が可能であることを,エネルギー収支を用いて例示することができた.
・高効率運転方法については,24年度の成果に示すように,いくつか運転パターンを構想し,シミュレーション計算によって,その効率を比較解析することで有用な運転方法を構築できた.
・上記の評価用に,シミュレータを開発し,検証作業の効率化を図った.
以上,24年度に計画した目標を達成することができた.一部,模擬実験装置によるシミュレータの精度検証に遅れが生じたが,問題点は解決されており,次年度には達成可能である.これらの成果は,シミュレータのモデル化についての論文として掲載済であり,最適運転については論文とりまとめ中である.

Strategy for Future Research Activity

(1)リニアエンジン発電機構:平成25年度は,燃焼行程における解析については,主として燃焼速度の適正化,ピストンストロークの適正化を解析的に実施する.このために,燃焼解析シミュレータを用いるが,ICELGの効率評価シミュレータとは別々に実施する.平成25年度では,平成24年度成果も活用して,燃焼を含めた機構,発電,蓄・放電の統合シミュレータを構築する.このシミュレータを用いて,ICELGのエンジンの4行程の最適連続運動制御システムを構築とシステムの有効性について,シミュレータ解析検証を行う.
(2)リニア発電エンジンの模擬実験装置開発と実験検証:燃焼行程を考慮したリニア発電模擬実験装置を並行して試作開発し,燃焼,排気,吸気,圧縮工程を連続させたICELGの最適運転手法を構築する.
(3)実規模実験とICELG設計手法の体系化:平成26年度は,25年度開発完成の模擬リニア発電エンジンと26年度に試作開発完成する燃焼可能エンジンを実装した模擬リニア発電エンジンを開発し,目標の性能が得られることを検証する.一連の開発知見をICELG設計手法として体系化し,実用化研究の基盤とする.
(4)成果のとりまとめ:3年間の成果,すなわち,ICELGの概念と,主要部の設計手法,制御システム,および,高効率運転手法についてとりまとめ,成果の発表を行う.また,研究の基盤であるグリーンメカトロニクス研究にも反映し,システム運用とシステム適合機器の観点から,新たな事例への展開を図る.なお,成果については,年度ごとに,なるべく早期に公表する.

Expenditure Plans for the Next FY Research Funding

25年度の研究費は,主に,燃焼を考慮した模擬実験装置の試作と改良である.すなわち,研究者の設計に基づくピストン模擬機構に関する材料・加工品や組み立て部品,および,連続運転を可能とする充放電回路の半導体,パワー素子等の電子部品の購入に関するものである.なお,本試作模擬実験装置は,既計画通りのものである.
前年度からの繰り越し分については,連携研究を強化し,本研究のすそのを広げるための検討会と情報交換のため旅費にあてる.

  • Research Products

    (3 results)

All 2012

All Journal Article (1 results) (of which Peer Reviewed: 1 results) Presentation (2 results)

  • [Journal Article] Efficiency improvement of the electric generating engine system based on internal combustion engine2012

    • Author(s)
      Hiroki Ishikawa, Yuta Takeda, Satoshi Ashizawa, and Takeo Oomichi
    • Journal Title

      Journal of Robotics and Mechatronics

      Volume: Vol.24, No.3 Pages: pp487-497

    • Peer Reviewed
  • [Presentation] クランク運動に依存しない発電エンジンシステムの開発(その4)2012

    • Author(s)
      石川 広基, 武田 佑太, 石原 丈裕,鈴木 翔, 芦澤 怜史, 大道 武生
    • Organizer
      第13回計測自動制御学会 システムインテグレーション部門講演会論文集
    • Place of Presentation
      福岡
    • Year and Date
      20121212-20121220
  • [Presentation] クランクに依存しない発電エンジンシステムの開発―高効率運転方法―2012

    • Author(s)
      石川広基,武田佑太,石原丈裕,鈴木翔,芦澤怜史,大道武生
    • Organizer
      ロボティクス・メカトロニクス講演会2012講演論文集
    • Place of Presentation
      浜松
    • Year and Date
      20120527-20120529

URL: 

Published: 2014-07-24  

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