2013 Fiscal Year Research-status Report
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24560310
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Research Institution | Meijo University |
Principal Investigator |
大道 武生 名城大学, 理工学部, 教授 (20340292)
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Keywords | リニアエンジン / フリーピストンエンジン / リニア発電機 / グリーンメカトロニクス / 容量可変エンジン / 可変ストローク |
Research Abstract |
グリーンメカトロニクスの考えに基づき,クランク機構を有しない内燃機関による発電システム(ICLG)の概念に基づき,機構の実現性,および,高効率運転手法を整理し,その有用性を解析した.そして,提案概念の実現性,および,適用範囲の拡大見通しを得た. 2.平成25年度の研究内容と成果 ・シミュレータの統合:ICELGシミュレータは,機構部(エンジン本体),発電・モータ部,電源部(キャパシタ充電放電システム)のサブシステムからなる.これらをシステムとして統合したシミュレータを構築するとともに,各部の性能を単独で評価することを概ね可能とした.これによって,各発電システムの全体効率にサブシステムが及ぼす影響を把握できるようになり,最適運転方法を抽出する基盤を得た.燃焼と運動の統合については,ピストンを理想的燃焼速度で動かすことが,最も有効であるとの考えから,ピストンを上死点でロックする方法等,初期速度を遅くする制御の実現に取り組んでいる. ・リニア発電・モータの模擬実験装置と実験検証 模擬実験装置については,機構,発電・モータ,電源について試作を完了した.しかし,熱機関部についての運用方法に手間取り,本格試験は次年度に繰り越すことになった.模擬装置の調整運転の結果,燃焼模擬試験を除いては,初期の実験が可能な状態となった.全体として,若干の遅れはあるが,今後,加速できる状況にきたと判断する.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
25年度までの成果目標は,シミュレータのシステム統合と模擬実験装置の試作であったが,以下のように,若干の工程遅れが発生した. ・シミュレータの統合については,エンジンの各工程のモデル化と検証が終了したが,リニアモータの特性把握とモデル化に時間を要し,燃焼を含めた統合計算には至らなかった. ・模擬実験装置は,機構部,発電・モータ部,畜放電部が出来上がり,工程ごとの部分的な機能を確認した.しかし,燃焼模擬を含めた運転について,安全実験方法が確定せず,各工程の連続実験には至っていない.しかしながら,高効率運転手法については,理論分析と解析によって,構築見通しを得た.
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Strategy for Future Research Activity |
遅れの回復を含め,当初の予定通りの成果を得られるよう推進する. ・シミュレータを活用した高効率運転手法の提言と有用性の検証:統合シミュレータについては,検証作業段階にきたので,年度の早期に統合を完成させ,分業による最適運転評価を実施し,構想した運転手法の抽出と改善を行う. ・実験については,年度前半で,安全実験策と部品手配を行って,短期集中実験を実施し,シミュレータ計算の妥当性を確認する. ・上記は,逐次,かつ,早期に論文にまとめ発表できるよう推進する.
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
燃焼行程における模擬実験装置での燃焼方法は,当初,点火プラによる実燃焼を予定していたが,燃料供給系での防爆対策と防爆安全の規格対応等,予想外の費用が必要になった.一方,本模擬装置製作の目的は,エンジンそのものの開発でなく,シミュレータの精度検証にあるので,実燃焼をしなくても,適切な熱エネルギー模擬することで,実験可能と判断でき,燃焼部の設計変更をおこなった.この結果,燃焼模擬部の製作は26年度に擦れこむことになった.なお,他の工程については,計画通り進んでいるので,最終年度には計画通りの成果が得られると判断している.あわせて,燃焼関連実験消耗品を先送りした. 次年度繰越予算については,主として,模擬入熱機構の製作に使用し,一部,同機構の調整治具,消耗品にあてる.また,本件に関連した学会発表を行う予定であるので,その旅費に充当する.
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Research Products
(4 results)