2012 Fiscal Year Research-status Report
形状形成問題に基づく分散協調型歩行支援ロボットの転倒防止制御
Project/Area Number |
24560311
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Doshisha University |
Principal Investigator |
横川 隆一 同志社大学, 生命医科学部, 教授 (70220548)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 歩行支援 / 分散協調 / ロボット / レーザ計測 |
Research Abstract |
本研究課題の目的は、使用者の転倒防止のための分散協調型歩行支援ロボットの新しい制御法を開発することである。その制御法は、2台のロボットと使用者(高齢者)との相対位置を幾何学的な立体形状として表し、その形状とその動的な変化から使用者の転倒を判断し、転倒防止のためのロボットの動作を決定するものである。本年度は、現有ロボットハードウェアの屋内用から屋外用への設計変更を主に行った。本ロボットシステムは同じ性能を有する歩行支援ロボット2台から構成されるため、歩行支援ロボット単体の仕様の精査、設計変更および性能評価を行った。歩行支援ロボット単体を用いたときの歩行支援は、歩行者への静的な歩行補助である。歩行者がバランス崩すときに、姿勢を安定に保つように補助するのではなく、常に、バランスを保つ姿勢に、歩行者を補助することである。歩行支援ロボット単体のハードウェアは、操作インターフェース、歩行者の腕を配置する部分の上下調整機構、3つのオムニホイールを用いた駆動系、および制御系から構成された。歩行者はいずれか片方の腕(ここでは左腕)を支援ロボットの腕置き部に置き、歩行中の姿勢を保つための支えとする。ロボットへの制御入力は、歩行者がロボットを保持している腕を通して操作インターフェースに加えた力、および2次元レーザ式測域センサによって計測された歩行者とロボットとの相対位置とした。歩行支援ロボットのハードウェアの仕様を従来システムより見直すとともに、開発したロボットがその仕様を十分に満たすのもであることを実験によって確認した。2次元レーザ式測域センサによる歩行中の脚部認識プログラムを開発し、操作インターフェースへの力入力と組み合わせることで、安定姿勢を保つことのできる歩行支援アルゴリズムを構築することができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
分散協調型の性能を十分に発揮できるように、歩行支援ロボット単体の仕様の見直しを行い、それに伴った設計変更および性能評価をじっくり行ったため、2台のシステムの改良を行うことができなかった。したがって、当初計画であった2台のロボットの2次元レーザ式測域センサによる歩行者の姿勢推定システム、および2台のロボットによる協調制御プログラムの開発を実施できなかった。しかし、被験者(学生3~5名(ボランティア)、ただし,実験内容により人数は異なった。)による歩行支援の実験、および静的な計測として等身大の介護用人形(新たに開発)を用いた実験により、見直した仕様に基づいて開発されたロボットシステムが、分散協調型歩行支援ロボットとして十分に使用できることは確認できた。
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Strategy for Future Research Activity |
本年度の設計に基づいて、2台めのロボットを改良・修正し、早急に2台のロボットシステムのハードウェアを完成させる。センサの調整および屋外での誤検出の排除アルゴリズムの開発など、遅れているプログラムの作成を2013年7月をめどに完成させる。それらと並行して、当初計画通り、2次元レーザ式測域センサ、および操作インターフェースによる歩行者の腕の力情報から、歩行中の歩行者の姿勢を推定する立体形状を形成するプログラムの作成を進める。この立体形状の幾何学的特徴から歩行者の転倒を推定するアルゴリズムの開発を行い、2台のロボットシステムへの実装を行う。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
該当なし。
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