2013 Fiscal Year Research-status Report
形状形成問題に基づく分散協調型歩行支援ロボットの転倒防止制御
Project/Area Number |
24560311
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Research Institution | Doshisha University |
Principal Investigator |
横川 隆一 同志社大学, 生命医科学部, 教授 (70220548)
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Keywords | 歩行支援 / 分散協調 / ロボット / レーザ計測 |
Research Abstract |
本研究は、屋内でのリハビリテーション用に開発された分散協調型移動支援ロボットを屋外での近距離移動支援(歩行支援)用に拡張しようとするものである。 当初計画では、被験者が腕置き部に加えた力から変換された位置情報と、レーザ式測域センサによって得られた被験者およびロボットの位置・姿勢情報から形成された幾何形状および剛性モデルに基づいて、被験者の転倒を推定する方針であった。しかし、この方法では、転倒防止に必要なロボットの加速度が大きくなることが判った。万一、ロボットの制御が不安定になった場合、ロボットの加速度が大きくなりすぎ、被験者にとって危険な状態になる可能性がある。安全性を考慮して、動的な転倒防止ではなく、常に転倒しないように被験者の体の位置・姿勢を保つ静的な転倒防止を採用することに変更した。すなわち、被験者がロボットへ入力した力の方向と被験者の足の移動方向との差が30°以内の時、安定な歩行と判断し、あらかじめ設定されたインピーダンスモデルに従うように、ロボットの速度が制御された。さらに、レーザ式測域センサを用いて推定した被験者の重心が、ロボットおよび被験者の接地点で構成される支持多角形内に存在しているのかを、ベクトルの外積計算によって幾何学的に求める方法を提案した。歩行実験中の被験者とロボットとの位置・姿勢を3次元運動計測システムを用いて計測し、提案システムの有効性を確認した。 本研究の成果を機械学会論文集C編79 巻 806 号 (2013-10)pp. 3584-3596(査読あり)、およびSICE Annual Conference 2013、pp. 2696-2698(査読あり)において公表した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2台のロボットシステムの改良をほぼ完了した。被験者による歩行支援の実験、および新たに作成した等身大の介護用人形を用いた静的実験により、改良されたロボットシステムが、分散協調型歩行支援ロボットとして十分に使用できることが確認できた。ロボット単体での歩行支援時において、歩行者の転倒を推定するアルゴリズムを開発し、ロボットに実装することができた。
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Strategy for Future Research Activity |
平成25年度に開発したベクトルの幾何学的関係に基づいた転倒防止アルゴリズムを2台のロボットによる歩行支援に拡張し、ロボットの制御コンピュータへの実装を行う。さらに、使用者-ロボット、およびロボット-ロボットを粘性と剛性、および質量でモデル化したインピーダンス制御プログラムを実装する。等身大の介護用人形(現有)を用いた静的な検証実験を実施する。大学キャンパス内において、被験者(高齢者疑似体験セット(現有)を装着した学生(アルバイト)、および高齢者(大学関係者、ボランティア))による検証実験を実施する。研究成果をまとめ、学術論文誌/学術講演会/等で公表する。本研究課題の成果報告書を作成する。データ整理、および図表作成などは大学院生および学生アルバイトにより実施する。
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Research Products
(2 results)