2013 Fiscal Year Research-status Report
非対称構造と冗長駆動を用いた広可動域高精度・空間3自由度パラレルメカニズムの開発
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24560314
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Research Institution | Kinki University |
Principal Investigator |
原田 孝 近畿大学, 理工学部, 教授 (80434851)
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Keywords | ロボティクス / パラレルメカニズム / 非対称構造 / 冗長自由度 / モード変化 / 広可動範囲 |
Research Abstract |
本研究はロボットや工作機械への応用が期待される3自由度並進運動を行うパラレルメカニズムに関して,従来の2倍以上の動作領域とNC工作機械と同等の運動精度を有するシステムを開発することが目的である.運動自由度数より多いモータを用いた冗長駆動と非対称設計リンク機構を用いることで動作中の特異姿勢を排除し,ベースに設けた中空部を介してメカニズムが反転して動作領域を拡張することが特徴である.昨年度までの研究はおおむね順調に進展しており,今年度は当初計画に従って以下の3テーマに取り組んだ. 1.制御装置の構築:平成24年度に試作したメカニズムに対して,定格推力10Nのリニアモータと位置分解能0.1μmのリニアエンコーダを組み込んだ.当研究室で開発した制御装置と接続するインタフェースを開発し,ゲインチューニングと動作検証を行い,制御装置の構築を完了させた. 2.動作プログラムの開発実装:動作シミュレーションソフトウエアにより特異姿勢回避および反転動作が実現出来ることを検証し,平成25年9月開催の日本ロボット学会学術講演会にて講演を行った.非対称冗長駆動パラレルメカニズムの機構学的特徴を分類整理した平成26年3月開催の機械工学および生産工学に関する国際学会における講演がベストプレゼンテーション賞を受賞した.平面2自由度+回転1自由度の非対称冗長駆動パラレルメカニズムに対して,特異姿勢回避および反転動作を行うアルゴリズムを考案実装して動作検証を行い,平成26年5月開催のROBOMECH2014に講演論文を投稿した. 3.円運動精度の計測:円運動試験装置QC20ボールバーシステムを購入し,装置単体の動作テストを実施した.メカニズムの運動精度を効率良く測定するために,運動計測装置を追加購入した.円運動動作プログラムの開発が未達のために,円運動精度の計測は平成26年度に繰り越すこととした.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
平成25年度は,平成24年度に試作したパラレルメカニズムに対する制御装置を構成し,位置制御により広可動域の動作が実現できることを検証し,円運動精度を計測することを目標としてきた.制御装置を立ち上げる際に一部の制御回路配線に不具合があり,サーボアンプを破損・修理するために2カ月要したために,制御装置の再立ち上げと基本動作の確認までは行ったが予定していた円運動計測を完了させるまで至らなかった.3つのサブテーマの中で2つは順調に進展したが,円運動計測が未達のために研究全体としてはやや遅れていると自己評価した. 1.制御装置の構築:平成24年度に試作したメカニズムに対して,リニアモータとリニアエンコーダを組み込んだ.当研究室で開発した制御装置と接続する配線に不具合があり,サーボアンプを破損・修理するために2カ月要した.修理後にゲインチューニングと動作検証を行い,制御装置の構築を完了させた.サブテーマはおおむね順調に進展している. 2.動作プログラムの開発実装:動作シミュレーションソフトウエアにより特異姿勢回避および反転動作が実現出来ることを検証した.上記サーボアンプ破損修理の間に,当研究室で別途研究開発している平面2自由度+回転1自由度の非対称冗長駆動パラレルメカニズムに対して,特異姿勢回避および反転動作を行うアルゴリズムを考案実装して,直線運動に関する動作検証を行った.動作プログラムは研究対象である3自由度並進非対称冗長駆動パラレルメカニズムを包含するものであるが,アンプ修理の遅れのために円運動軌跡を生成するプログラムの作成まで至らなかったが,サブテーマはおおむね順調に進展している. 3.円運動精度の計測:円運動試験装置を購入し,装置単体の動作テストを実施した.円運動動作プログラムの開発が未達のために,円運動精度の計測は平成26年度に繰り越すこととした.サブテーマはやや遅れている.
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Strategy for Future Research Activity |
研究はやや遅れているが,平成26年度の研究期間内でリカバー出来る範囲内であり,今後も当初計画通りに研究を進めていく方針である. 平成26年度は,先ずは円運動精度の計測のための円運動軌跡を生成するプログラムを作成し,メカニズムに実装して円運動精度を計測する.引き続き,平成26年度当初目標である,機構キャリブレーション技術を開発し,円運動誤差5μm以下の精度を実現させることを目標とする.以下の2つのサブテーマに分けて研究を進める. 1. 機構キャリブレーション:部品寸法誤差や組立誤差を機構キャリブレーションにより推定して,位置の高精度化を目指す.先行して研究中の冗長駆動平面3自由度パラレルメカニズムのセルフキャリブレーションを拡張して本研究に適用する.メカニズム本体に組み込んだ高精度位置センサを用いた絶対的位置計測に基づくセルフキャリブレーションと,円運動計測を用いた相対的位置計測に基づくキャリブレーション方法を組み合わせたハイブリッドキャリブレーション方法を考案し,実機へ適用していく計画である. 2.円運動誤差5μmの実現:キャリブレーション後に円運動試験を実施し,市販NC工作機械と同等である円運動誤差5μmを実現する.目標精度が実現できない時は,キャリブレーション方法を修正すると共に,機械部品を改良する. これらの成果を日本機械学会などの国内の学会講演,および,IEEE(米国電気電子学会)などにて国際学会講演を行うと共に,日本機械学会論文集などへ論文投稿を行う.また,申請者のホームページなどにて成果を広く開示する.
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
本研究成果の中で次年度に講演発表が決定している学会に関する講演論文投稿費用および学会参加費が次年度払いとなったために,該当金額相当を次年度に持ち越した. 繰越金140,496円は,2014年5月に行われる日本機械学会ロボティクス・メカトロニクス講演会の講演論文投稿・参加費用(17,000円)および交通費の一部,2014年6月に行われるIEEE ICRA2014の講演論文投稿・参加費用1,000米ドル(104,743円)に使用する.
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Research Products
(12 results)
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[Presentation] 冗長駆動パラレルロボット2014
Author(s)
原田 孝
Organizer
第14回 日本機械学会 機素潤滑設計部門講演会
Place of Presentation
信州松代ロイヤルホテル(長野市)
Year and Date
20140421-20140422
Invited
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