2014 Fiscal Year Research-status Report
コネクタの填め合い状態を計測できるロボット指先型触覚センサの開発
Project/Area Number |
24560316
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Research Institution | Kyushu Sangyo University |
Principal Investigator |
村上 剛司 九州産業大学, 工学部, 准教授 (80380682)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | ロボティクス |
Outline of Annual Research Achievements |
本申請研究では,産業用ロボットによる組み立て作業の適用範囲拡大を目指し,コネクタの填め合い状態を計測可能なロボット指先型触覚センサを開発することを目指す. 平成26年度は,センサ素子における受信信号と,コネクタの填め合い状態の関連付けを試みた.まず,コネクタの填め合い操作を,オスコネクタをメスコネクタに挿入する動作として定義し,コネクタピンの差し込み量(接触長さ)を絶対量として計測できるかを調査した.しかし,コネクタ毎の製品差や計測用信号のSN比の問題から,想定される条件下においてはピンの差し込み量を直接計測するには困難であることがわかった.そこで,コネクタピンの差し込み操作を複数の状態に切り分けてその状態遷移を検出することとした.具体的には作業実行に有用な状態情報として差し込み操作を,差し込み前(未接触),差し込み開始(接触),差し込み過程,差し込み完了に分割して状態推定を試みた.その際,想定される工場などでの利用条件および同一条件下での評価を行うためにロボットアームを用いた填め合い操作の自動化を進めたが,使用を想定していたロボットアーム(VE026A)が生産中止となり,代替のロボットアームの選定と購入に時間を要した.また,調査実験の結果として,填め合い操作を行う速度や強さの影響をより詳細に調査する必要があることが分かった. 以上により,コネクタの填め合い操作における状態遷移を計測するための環境整備を完了した.最終年度では,センサ素子での受信信号と填め合い操作の状態遷移との関連づけを行うことで,コネクタの填め合い状態を計測すると共に,センサ素子を埋め込むことによりロボット指先型触覚センサを実現する.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
これまでに,コネクタの填め合い状態の変化を周波数スペクトルの変化として計測するための条件について調査し,全体としてコネクタを構成する金属とプラスチックを伝送路として振動の伝達が行えるとの見通しを得ている.最終年度は,填め合い速度や強さなどのパラメータを含めて填め合いの状態遷移をセンサ素子での受信信号と関連付けることで,コネクタの填め合い状態を計測する.
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Strategy for Future Research Activity |
最終年度では,填め合い速度や強さなどのパラメータを含めて填め合いの状態遷移をセンサ素子での受信信号と関連付けることで,コネクタの填め合い操作の状態遷移を計測する.特に操作において重要かつ比較的検出しやすい状態群に分割することで効果的な計測が行えるようにする.
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Causes of Carryover |
平成26年度に,開発したロボット指先型触覚センサの評価用ロボットアームを購入し,評価実験およびその結果を踏まえた改善を行った上で成果公開を行う予定であったが,想定していたデンソーウェーブ製ロボットアームVE026Aが生産中止となり,代替のロボットアームの選定と購入に時間を要した.また,この変更に伴い実験方法・内容を変更することとしたため未使用額が生じた.
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
ロボットアームを用いたロボット指先型触覚センサの評価のための追加実験とそれを踏まえた改善および成果公表を次年度に行うこととし,未使用額はその経費に充てることとしたい.
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