2014 Fiscal Year Annual Research Report
高温超伝導体の実規模電磁界解析に関する高性能数値解析技術の開発
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24560321
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Research Institution | Yamagata University |
Principal Investigator |
神谷 淳 山形大学, 理工学研究科, 教授 (00224668)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 高温超伝導薄膜 / クラック / 臨界電流密度 / 非接触測定法 / 永久磁石法 / 誘導法 / 微分代数方程式 |
Outline of Annual Research Achievements |
有限要素法(FEM)と陰的スキームで離散化すると,遮蔽電流密度の初期値・境界値問題は各時間ステップで非線形代数方程式を解く問題に帰着する.この方法は仮想電圧法と呼ばれ,クラックを含む高温超伝導(HTS)薄膜にも適用できる.しかし,仮想電圧法はCPU時間を極端に浪費するという欠点をもつ.本年度の研究目的は,クラックを含むHTS薄膜中の遮蔽電流密度を解析するための高速かつ安定な方法を開発し,同法を用いて走査型永久磁石法(SPM)の性能を数値的に調べることである. クラックを含む場合,遮蔽電流密度の初期値・境界値問題は準陽的微分代数方程式(DAE)に帰着する.このDAEは標準的なODEソルバーで解くこともできるが,その解法には多大なCPU時間が必要となる.計算量を大幅に減少させる目的で,本研究では,ブロックLU分解をODEソルバーのベクトル値関数評価部分に実装することを提唱した. 提案法と仮想電圧法のスピードを比較するために,両法に要するCPU時間を測定した.その結果,節点数nが1000以上では,提案法は仮想電圧法よりも高速であった.特に, n=3007では,提案法は仮想電圧法の5.3倍以上のスピードを示す.これらの結果から,提案法はクラックを含むHTS薄膜中の大規模遮蔽電流密度解析に特に有効であると結論付けることができる. 提案法を用いて遮蔽電流密度を解析する高速シミュレーション・コードを開発し, 複数クラックをSPMで区別できるか否かを数値的に調べた.その結果,複数クラックはSPMの解像度を著しく劣化させることが判明した.
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Research Products
(16 results)