2013 Fiscal Year Research-status Report
非接触給電式スリップリングを持つ永久磁石レス同期電動機の開発
Project/Area Number |
24560323
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Research Institution | Saitama University |
Principal Investigator |
金子 裕良 埼玉大学, 理工学研究科, 准教授 (10233892)
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Keywords | 非接触式スリップリング / ワイヤレス励磁同期電動機 / レアアースレスモータ |
Research Abstract |
本研究では電磁誘導式の非接触給電システムを適用し、回転子側の励磁コイルに電力を高効率で供給するためのスリップリングの形状や構造を検討する。 平成24年度に得られた結果を基にして、非接触式スリップリング形状の小型化などの再検討を行い、数種類スリップリングを試作した。試作した非接触式スリップリングの諸係数をLCRメータを用いて測定し、等価回路から導いた諸式と回路解析ソフトや磁界解析ソフトを用いて論理的解析を行った。給電実験を行い、解析結果と比較検討し、目標とする同期電動機に搭載可能な非接触式スリップリングかどうか評価した。 次に、前年度作成したプロトタイプ機を例に、磁界解析ソフトを用いて固定子側の回転磁界が励磁回路に与える影響を解析した。アルミにより非接触式スリップリングを遮蔽することにより電力給電が問題なく行われ、効率低下もないことを確認した。 そして、回転始動時の弱め界磁制御を行うために、非接触式スリップリングの入出力電流・電圧特性について理論的な検討を行った。特に、回転子側の電子部品を少なくしメンテナンスフリー化を進めるため、二次側コンデンサをなくした一次直列方式の給電システムについて理論的な解析を進め、界磁巻線の電気的パラメータと入出力特性の関係、トランス効率との関係式を導くとともに、基礎実験を行って理論式の有用性を確認した。これを用いて界磁調整可能な制御回路を設計した。 また、試作した小型非接触式スリップリングを搭載した非接触式スリップリング同期電動機を設計し、回転実験可能な設備を作成した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
当初の計画通り、(1)非接触式スリップリング形状の小型化などの再検討、(2)固定子側の回転磁界が励磁回路に与える影響の解析、(3)弱め界磁制御のための非接触式スリップリングの入出力特性の検討を実施している。これらの成果は平成26年度の電気学会産業応用部門大会やIEEEのパワーエレクトロニクス関連の国際会議で発表する予定である。 ただし、当初計画していた非接触式スリップリング同期電動機や界磁制御用回路はまだ作製中で、高速回転時の給電実験もこれからである。
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Strategy for Future Research Activity |
前年度設計した非接触式スリップリング同期電動機および界磁制御用回路の製作を完了する。給電実験および回転実験を行い、非接触式スリップリング同期電動機の出力特性、速度特性などの性能評価を行い、永久磁石モータと比較する。比較する永久磁石モータについては、既に公表されている情報などを元にシミュレーションを行い出力や効率等の性能を求めて、本研究で試作した非接触スリップリング同期電動機と比較を行う。また、励磁回路への電力供給効率を計測し、非接触式スリップリングの有用性を確認する。 次に、負荷変動時の界磁調整など給電電力変化に対応するため、作製した界磁制御用回路を用いて非接触式スリップリングの一次側電圧を調整する実験を行う。また非接触式スリップリング同期電動機の速度制御システムを構築し、負荷変動時の特性改善が可能か否か評価する。
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Research Products
(3 results)