2012 Fiscal Year Research-status Report
大容量高周波スイッチング電源の高性能化及び低コスト化を実現する磁気デバイスの開発
Project/Area Number |
24560324
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
早乙女 英夫 千葉大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (50261938)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 鉄損 / フェライト / 動的磁気損失 |
Research Abstract |
高周波磁気デバイスに印加される電圧波形の多様性を考え,「動的磁気損失パラメータ」の非線形特性を幅広い条件で試験確認するため,高電圧・高dv/dtパルス電圧発生装置を開発した。RF帯域に対応する高周波特性の優れた高圧・大電流電界効果トランジスタを駆動するための高速ゲート駆動回路を開発し,この電界効果トランジスタのドレイン電流径路の低インダクタンス化を実現した。また,磁気デバイスへの励磁時間を最小限とするような装置となっている。本装置を開発したことにより,「動的磁気損失パラメータ」の幅広い励磁条件下での非線形特性を実験により計測することができる。現在,測定実験を幅広い範囲で行っている。 磁気デバイスの特性測定において,その温度管理を行って実験データを取得している。実験条件は幅広いので測定実験は次年度以降も継続する。 実験条件について,以下の考察を行った。従来は,動的磁気損失パラメータを磁束密度の時間微分のみの関数として評価していたが,従来より幅広い実験条件にて測定を行ったところ,磁束密度そのものにも動的磁気損失パラメータの値が依存していることが判明したので,動的磁気損失パラメータを磁束密度とその時間微分の両方の関数として表現し,その特性評価を行うことができるよう,実験評価法を考案した。 磁気デバイスを適用したDC-DCコンバータのコストおよび損失を低減させるため,次の2つの工夫を行った。1つ目は,DC-DCコンバータの出力電流リプルを低減させる磁気デバイスの設計法を開発し,出力電流平滑用コンデンサの低減を図った。2つ目は,DC-DCコンバータの主スイッチ半導体素子の通流損失を低減するため,磁気デバイスの励磁電流を供給するコンデンサを磁気デバイスと一体化する特許を2013年4月に出願する。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成24年度の計画にある(1)から(3)の内容に対して,それぞれ以下の成果を得ている。 (1)所望の仕様を満足する磁気デバイスの励磁装置は開発が完了した。 (2)コア内の電磁界解析法の基礎理論を確立した。 (3)DC-DCコンバータの回路素子の責務低減を実現する磁気デバイスを考案した。
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Strategy for Future Research Activity |
基本的に,当初計画通りに遂行する予定である。 高周波スイッチング電源に適用される磁気デバイスの低損失化および複合機能化に対し,基礎実験データおよびデバイスモデルを適用したシミュレーションにより裏づけされたコア形状および巻線構成等を考案し,電源装置全体をシステムと考える視点から創意工夫した磁気デバイスの提案を行う。コア形状の設計においては,エアギャップの配置場所およびその寸法設計にも重点を置く。一つ一つの提案に対し,実験により所望の特性が得られているか否かを検証していく。 実験およびシミュレーション等により得られた新しい知見は,適宜,それらの研究成果を国内外の学会に論文として公表していく。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
該当なし
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