2012 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
24560325
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Yokohama National University |
Principal Investigator |
山岸 一人 横浜国立大学, 工学研究院, 特別研究教員 (10293177)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 電気機器 / 超伝導バルク / 回転機 / シールドコイル |
Research Abstract |
我々は,バルク超伝導応用回転機早期実用化の技術的課題として指摘されている,回転変動磁界によるバルク超伝導回転子への影響について研究を行っており,その最適な設計法を明らかにすることを目的としている.平成24年度は以下の3項目について研究を実施し,それぞれの実績について報告を行う.(1)「回転磁界下におけるバルクの損失評価」については,前研究課題として解決されていなかった回転機変動磁界による損失を測定するために,これまで使用してきた熱電対を測定素子に用いた熱量法によるものに改良を加えた改良型熱量法を試すこととした.この測定法は,今まで受動的な測定を行ってきたものについて,一部能動的な測定に変え,さらに検出素子を複数個用いることによってその測定精度を上げるものである.この新たな取り組みにつては,今のところ当初予想していたほど精度を上げることはできていないが,次年度以降引き続きデータ収集を行うことによって目標に近づけていくこととした.次に(2)「回転磁界下におけるシールドコイルの構成法および評価」については,まず新規に購入したバルク超伝導体と超伝導線材の緒元をもとに磁界解析ツールを利用してシールドコイルの変動磁場による影響とその有効性について評価を行った.解析結果によってその有効性は確認され,その評価内容をもとにして次の段階であるシールドコイルを含むバルク超伝導回転子の設計を行った.この設計により製作するバルク超伝導回転子の実験による評価を来年度以降に行い,有効性を確認する予定である.(3)「バルク応用回転機のステータの構成法」については,前項(2)で設計されたバルク超伝導回転子にあわせたステータの設計を行った.ここで設計された試作用のステータは形状や線材種類によっていくつか試作し,来年度以降順次製作,評価試験を行っていく予定である.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究の目的に対する達成度については,一部計画を変更して先行しているところがある反面,別の研究項目においては若干遅れている部分もあるが,全体としてみるとおおむね順調に進展していると思われる.
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Strategy for Future Research Activity |
H25年度については,基礎データの蓄積としてバルク超伝導体の配置の違いによる損失の測定を改良型熱量法等を用いて行う.次に,設計したシールドコイルを配置したバルク超伝導回転子の製作を行い,変動磁界による捕捉磁界への影響について測定データの蓄積を行う.さらにこのバルク回転子に最適と思われるステータコイルを数種試作し,実験により最適なものを確認していく.これらの評価により,損失の少ないバルク超伝導回転機の構成を確認する. また,H24年度から得られたそれらの研究結果については,国内及び国外の関連学会において研究成果として発表を行うとともに,関連分野の研究者達との意見交換によって研究の方向性について確認を行うこととする.
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
該当なし.
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