2014 Fiscal Year Annual Research Report
LCフィルタレス単相13レベルインバータの超高効率化
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24560326
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Research Institution | University of Toyama |
Principal Investigator |
飴井 賢治 富山大学, 大学院理工学研究部(工学), 講師 (50262499)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 高効率化 / 低オン抵抗 / 双方向スイッチ / LCフィルタレス / スイッチングパターン発生法 / マルチレベルインバータ |
Outline of Annual Research Achievements |
平成26年度は、回路の損失発生要因の抽出を行い更なる高効率化を実現するため、主回路及び制御回路の見直しを行った。主回路に関しては、13レベルのマルチレベルインバータに加え、PWM制御が施された同原理の5レベルの回路を作製し、動作特性の検証を行った。この回路は、13レベルに比べ制御が簡略であり、主回路の違いによる損失比較をより顕著に行うために利用した。5レベルインバータは、13レベルの半分の8素子で構成され、同様に双方向スイッチを切換えながら所望の電圧レベルを出力する回路である。この5レベル回路を用いて実験を行ったところ、LCフィルタありの時の効率は、出力電力が730W時に97.8%、LCフィルタなしの時は出力760W時に98.7%であった。これに対し13レベルインバータは、700W時に97.5%であり、5レベルのPWMスイッチング(LCフィルタあり)と同等の効率であった。このため、スイッチングパルスの最適化や、主回路素子の見直しを行った結果、効率を98.5%まで高めることができ、5レベルと同等の特性が得られた。このことから、同原理で動作する回路で電圧レベル数やスイッチング素子数の違いがあっても、効率に影響しないことが確認された。なお、この効率は、従来のインバータを遙かに超える高い値であり、当初の高効率化の目標が十分に達成されたと言える。 波形制御性に関しては、LCフィルタが接続されていないため出力電力を1000Wまで変化させても波形歪みは約0.3%しか増加しておらず、フィードバック制御に匹敵する波形安定性が確認された。しかし、13レベルの階段状の波形は、歪みが最小化されたスイッチングパルスを与えても3%の歪みを含んでおり、高精度な電圧を必要とする用途には電圧レベル数の検討が必要になることが確認された。今後は、これらの結果を基に13レベルインバータを電力系統へ接続し、高効率な系統連系インバータの実現に向けて研究を進めていく予定である。
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Research Products
(3 results)