2014 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
24560343
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Research Institution | Ashikaga Institute of Technology |
Principal Investigator |
横山 和哉 足利工業大学, 工学部, 准教授 (60313558)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 超伝導バルク磁石 / パルス着磁 / リアルタイム磁場測定システム / 着磁効率 / 磁石応用 / 産業応用 |
Outline of Annual Research Achievements |
近年,様々な分野で磁気の応用が注目されており,磁石の強磁場化が求められている。本研究は小型で強力な磁石装置の開発を目指して,超伝導バルク体をパルス磁化法(PFM)により着磁する手法について研究を行っている。一方,試料特性の向上に伴い,磁気シールドが強くなりPFMによる大きな磁場の捕捉が難しくなりつつある。そこで,試料に機械的に細孔を加工することで意図的に超伝導特性の低い部分を作り,そこから磁束を効率的に侵入させる手法について検討を行っている。これまでに,φ2 mm及びφ1 mmの細孔を4個加工した試料について着磁特性を評価し,これらの試料では磁場分布に歪みが生じることを確認した。そこで,細孔の数を減して試料端部に1個のみ細孔を加工する場合について検討を行った。同一試料においてφ1 mmの細孔を厚みの半分加工した場合,それを貫通させた場合,更に細孔をφ2 mmに拡大した場合おいて,温度を20~50 K,印加磁場の大きさを3.1~7.0 Tに変えて単一パルス磁場を印加する実験を行った。そして,24年度に構築した測定システムを用いて,着磁中の試料表面における磁束密度の時間変化を測定するとともに,着磁後の磁場分布を評価した。なお,細孔を貫通させた試料においては機械的補強のために半田を充填している。その結果,20 Kではいずれの試料でも捕捉磁場特性に大きな違いはなかったが,30 K以上ではφ2 mmの細孔では捕捉磁場が低くなる結果が得られた。以上の実験結果から,細孔の大きさはφ1 mm程度が妥当であるという知見を得た。さらに,細孔に充填したハンダの冷却効果により,磁束フローによる磁場の減少が抑制される可能性も明らかにした。これらの成果は ASC2014(応用超伝導会議,アメリカ・シャロット)や超電導・低温工学会,電気学会,ISS2014(国際超電導シンポジウム)で研究発表を行った。
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Remarks |
自作のホームページにて論文や発表の一覧を表記するとともに,研究内容について研究者以外の人(高校生や一般の人等)にもわかりやすく写真やビデオを用いて紹介している。ホームページ以外にも,公開講座や出前授業等で超伝導応用や磁石応用について講義を行っている。
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