2012 Fiscal Year Research-status Report
新方式24ステップインバータを用いた太陽光発システムの出力平準化
Project/Area Number |
24560345
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Tokyo Denki University |
Principal Investigator |
桝川 重男 東京電機大学, 工学部, 教授 (70147461)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 太陽光発電 / 出力平準化 / インバータ / 高調波 / マルチステップ / 系統連系 / 省エネルギー / 再生可能エネルギー |
Research Abstract |
本研究は日射量が変動しても太陽光発電が系統へ出力する電力を平準化すると共に,新たに開発した新24ステップインバータを系統連系用インバータに用いることで,系統に流出する高調波も低減した太陽光発電システムを開発することである。 本研究で提案する出力平準化回路は,鉛蓄電池と電気二重層コンデンサEDLCを併用する。後者は大電流の充放電が可能である特徴を活かし,前者を定電流で,後者を余剰電流で充放電するように制御し,過大な入出力時でも電池の急速充放電を避けて,系統への出力をほぼ一定に維持するので,系統の安定化を高めることができる。また,新24ステップインバータは,三相およびハーフブリッジ中性点クランプインバータ(NPCインバータ)各1台,三相変圧器および単相変圧器各1台,直流分割コンデンサ4個からなり,従来の24ステップ方式に比べて,大幅に小型化が可能となる。このため,UPSや分散電源さらには航空機用電源など,応用範囲は広い。従って,本研究において,提案回路を試作し,理論的・実験的に検証することは実用化に向けて高い意義を有する。 24年度では,鉛蓄電池(160V-2A),EDLC(8F-250V-30A),昇降圧チョッパ2台,太陽電池に代わる直流電源を用いて平準化回路を製作,負荷や供給電力が変化しても,常に一定の電力を負荷に供給できることを明らかにした。 一方,出力電圧200V,2kVAの新24ステップインバータを試作して,波形改善効果を測定した。その結果,負荷が変化しても出力電圧の総合ひずみ率は8.13%であり,ほぼ従来の24ステップインバータと同等の波形改善効果が得られることを明らかにした。さらに,コンデンサ電圧を最適な電圧に保持するために,チョッパ回路を追加するなど,回路の改良も行なった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
提案する出力平準化回路の回路動作や平準化効果を確認した。また,新24ステップインバータを試作,波形改善効果を理論的・実験的に検証するなど,計画に沿って研究は進展している。ただし,理論的解析が不足している。
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Strategy for Future Research Activity |
平準化回路は太陽光パネルと接続して,野外におけるフィールドテストを行なう。また,平準化回路を新24ステップインバータと接続して,提案する太陽光発電システムを構築して,システムの動作を確認する。動作確認の負荷として,抵抗を用いる。提案システムの動作を確認した後,系統へ連系して力率1で電力を系統に供給するために,制御回路を変更する。これらの改良を行ない,太陽光発電の電力に対して充放電量と系統への電力供給量との関係を追及する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
25年度は,提案回路の改良を行なうために,スイッチング素子や制御回路の部品等を購入する。また,研究成果を電気学会等の大会で公表する。これらのために,25年度の研究費を使用する。
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Research Products
(6 results)