2013 Fiscal Year Research-status Report
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24560349
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Research Institution | Tokyo City University |
Principal Investigator |
湯本 雅恵 東京都市大学, 工学部, 教授 (10120867)
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Keywords | ガス絶縁 / 窒素混合ガス / 電子付着 / 脱励起 / 付着断面積 / 六フッ化硫黄 / 初期電子 |
Research Abstract |
地球温暖化の対策として、電力機器の絶縁ガスとして不可欠になっている六フッ化硫黄(SF6)の使用量削減のため、窒素を主体とする混合ガスの使用を提言してきた。しかし、窒素には内部エネルギーを長期間蓄積する性質があり、一度密閉空間で放電が発生すると、内部エネルギーを蓄積した粒子が長時間残留することが原因で、放電後長い時間が経過した後にも放電の引き金となる電子を供給する危険性がある。これまでの研究で高気圧中においても10秒程度は電子の供給が無視できない状態を継続することが明らかになっている。そこで、電子供給を抑制するための対策としては、発生した電子をトラップするか内部エネルギーを蓄積している粒子を脱励起する方法が考えられる。 そこで、内部エネルギーの解放を期待して、一酸化窒素(NO)を窒素中に微量混入したところ、数秒以上経過した後では脱励起の効果は顕著であるが、内部エネルギーを短時間で開放する結果、1秒以下の時間領域では、むしろ窒素単独の場合よりも多くの電子が発生することが明らかになった。 次に、発生した電子を付着する効果を期待して電子付着を期待できる酸素(O2)や炭酸ガス(CO2)などを用いたところ、発生電子数を抑制する効果は認められたが、その効果はわずかであることが分かった。そこで、付着断面積の大きさの違うガスを用いて比較したところが、断面積の大きなガスのほうが効果は大きく、N2Oが有効であることが実験的に示された。さらに、断面積の大きさと合わせて、断面積が大きくなるエネルギー領域が重要な要因になることが示唆される結果が得られた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
六フッ化硫黄の代替ガスとして窒素混合ガスを用いることを目的として研究を進めている。窒素の内部エネルギーを蓄積する効果により、一回目の放電の後、長時間経過しても電子が発生する事実を解消するために2つの方法を試みてきたが、脱励起の効果は総合的に適さないことが明らかになった。一方、付着作用を有効に利用する方法が適していることが明らかとなった。また、付着断面積の大きさが電子発生量を抑制する大きな要因になることも明らかとなり、最終年度の取り組みを行う上で、実験計画を明確に絞ることができた。
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Strategy for Future Research Activity |
電子を捕獲する作用を利用する場合、付着断面積が大きな要因になることが明らかになったが、断面積のピークとなるエネルギー領域がもう一つの大きな要因になる可能性がこれまでの実験から示唆された。したがって、測定方法は確立したので、目的に沿うために選択する分子の選定を行うために、各分子の付着断面積の調査を重点的に取り組む予定である。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
実験に用いている真空ポンプが1月になり不調になったため、オーバホールが必要となり、そのための費用の一部を繰り越すため。 年度末にオーバホールの依頼をし、修理点検が終わり次第、実験を進める。
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Research Products
(4 results)