2012 Fiscal Year Research-status Report
顕著な非線形性をもつIPMモータセンサレスドライブシステムの単純最適制御
Project/Area Number |
24560354
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Chubu University |
Principal Investigator |
長谷川 勝 中部大学, 工学部, 准教授 (70340198)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | IPMモータ / 位置センサレス制御 / 過変調 / 最大トルク制御 |
Research Abstract |
H24年度においては,顕著な非線形性をもつIPMモータに対する位置センサレスドライブシステムの過変調運転法の検討を,主にシミュレーションを用いて行なった。これまでの研究で,我々はIPMモータのq軸方向における磁気非線形性に対して極めてロバストな数学モデルを構築しており,本年度はこれに基づいて位置センサレス制御系ならびに電圧形インバータの過変調運転アルゴリズムを新たに構築した。本研究で用いているIPMモータの数学モデルに基づけば,自動的に最大トルク制御軸を推定することが可能となるため,極めて簡単な構成で最大トルク/電流制御系を構築することができ,空間ベクトル変調電圧形インバータに与えるする電圧指令を最適な形で修正することができる。 q軸方向に顕著な磁気飽和特性をもつIPMモータに対して行なったシミュレーション結果から,本手法はdq軸を推定する従来の方式に比して運転範囲の拡大,磁気飽和時の最大出力トルクの向上,また速度制御応答の改善が十分見込めることが明らかとなった。この結果は1)位置センサレス制御用数学モデルが磁気飽和特性にロバスト,特にq軸方向の飽和特性に不感であること,2)本数学モデルが位置センサレスにもかかわらず,最大トルク制御軸を推定するに適したモデルであること,3)電圧指令飽和時における指令値修正則(補正)が最大トルク制御軸上で行えること,などに基づいており,A)位置センサレス,B)磁気非線形性,C)過変調運転 の3課題を同時に解決できる手法を確立することができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
H24年度はシミュレーションによる提案法の妥当性評価を行う計画であり,上記のように本手法はIPMモータ位置センサレス制御系が抱える3課題を同時に解決できる結果を得た。ゆえに,今年度の成果から本計画は十分達成できたと判断する。
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Strategy for Future Research Activity |
H25年度には実験による検証・性能評価を開始する。磁気飽和特性が顕著なIPMモータに対して本手法を適用し,H24年度に明らかにした提案法の基本特性(運転範囲拡大の程度,トルク最大値,トルク応答,速度制御応答など)を実機検証する予定である。また,従来法であるd-q軸推定に基づく位置センサレス制御系と比較して,その相対的改善効果を評価する予定である。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
H25年度には実験による検証・性能評価を開始する。本予算は供誌装置の製作費,トルク計測器と電力計測器の拡充に充てる予定である。
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Research Products
(7 results)