2014 Fiscal Year Annual Research Report
遠隔操作する対象物にワイヤレス給電できるミリ波送電システムの開発
Project/Area Number |
24560358
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Research Institution | Toyota National College of Technology |
Principal Investigator |
安藤 浩哉 豊田工業高等専門学校, 情報工学科, 教授 (30212674)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | ワイヤレス電力伝送 / ミリ波 / マイクロ波 / ガウシアンビーム / パラボラアンテナ / 指向性 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、電磁波を用いて、狙った方向にワイヤレスで電力を送電することを目的としている。電磁波の中でも、特に、センチメートル波 (SHF,3GHz~30GHzの周波数の電磁波)より波長の短い電磁波は、直進性を持っており、この目的を達成するのには都合が良い。 そこで、ホーンアンテナ1つとパラボラアンテナ1つの組を送電用アンテナ用と受電用アンテナ用に2組用意し、これらの間で18GHz~20GHzの電磁波による電力送電を行なった。 電力を送電する伝送系は、2組のアンテナの間を伝わるガウシアンビームのビーム半径と同位相面の曲率半径に着目し、ガウシアン光学系として設計された。具体的には、用いるホーンアンテナの形状から、ホーンアンテナ開口部でのガウシアンビームのビーム半径と同位相面の曲率半径を見積もり、これらの値をもとにして設計が行われた。その結果、ホーンアンテナから約350mm離れた位置に、パラボラアンテナ(中央部の曲率半径が780mm)を配置すると、パラボラアンテナの面上でのビーム半径が見積もられ、半径が200mmのパラボラ面を準備すれば、ホーンアンテナによるブッロクキングが15%あるものの、充分な電力伝送が行えることが分かった。伝送距離(送電用アンテナと受電用アンテナの距離)が1500mmの場合で、アンテナの間でのビーム半径の変化は5%未満であることも分かった。 設計で得られた数値をもとに、光軸調整用のレーザーコリメーターを設置できるパラボラアンテナを2台製作し、光軸調整後にこれらの間で伝送実験を行った。その結果、伝送距離が1500mm±10%変化しても、18GHz~20GHzの帯域で、40%~50%の電力伝送効率が達成できることを実験的に確認した。
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