2012 Fiscal Year Research-status Report
ナノ構造制御有機薄膜の多重表面プラズモン複合励起と高効率デバイスへの応用
Project/Area Number |
24560367
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
加藤 景三 新潟大学, 自然科学系, 教授 (00194811)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
新保 一成 新潟大学, 自然科学系, 教授 (80272855)
馬場 暁 新潟大学, 研究推進機構超域学術院, 准教授 (80452077)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 表面プラズモン / 有機薄膜 / ナノ構造制御 / 金属グレーティング / 金属微粒子 / 太陽電池 / センサ |
Research Abstract |
CD-RやBD-Rの凹凸構造を利用したインプリントにより,グレーティング構造を持つ金属薄膜および有機薄膜を作製し,表面プラズモン(SP)励起特性について種々検討した。また,金属グレーティング薄膜上に金属微粒子を配置し,金属グレーティング薄膜界面を伝搬するSPと金属微粒子界面に束縛された局在SPとの多重SP複合励起についても詳しく検討した。その結果,金微粒子坦持酸化チタン薄膜を金属グレーティング薄膜上に堆積することにより,金属グレーティングによる伝搬型SPと金属微粒子の局在SPの多重SP複合励起により,色素/電解質界面での光電流の増大が観測された。そして,この多重SP複合励起は,太陽電池の高効率化に有効であることが明らかとなった。 また,透過型SP励起特性についても検討した。すなわち,導電性高分子薄膜を金属グレーティング薄膜上に堆積し,ドーピング・脱ドーピングによる透過型SP励起特性を測定し検討した。その結果,電気化学的にドーピングレベルを制御することにより,SP励起異常透過光の波長や強度の制御が可能なことを示した。さらに,透過型SP励起を用いたバイオセンサについて検討した。その結果,電気化学的に制御した透過型SPR測定法を用いることで良好にヒト免疫グロブリンGの検出が可能であることを明らかとした。 さらに,多チャンネルSP共鳴光導波路センサについても検討した。すなわち,同一光導波路上に湿度とガスに反応する2種類の有機薄膜を用いてSP励起可能な2チャンネルのセンサを構築し,種々の湿度下で高精度なガスの検出が可能であることを示した。また,SP共鳴分光法と光導波路分光法を併せ持つ複合センサや,SP共鳴分光法と水晶振動子微量天秤法を併せ持つ複合センサなどについても検討した。そして,これらのSP共鳴分光法を利用した複合センサは,高機能・高感度センサとして有望であることを示した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究の目的は,ナノ構造制御した有機薄膜における多重表面プラズモン(SP)複合励起について検討を行い,有機デバイスの高効率化に向けた基礎的な研究を行うことであった。グレーティング構造を持つ金属薄膜上に金属微粒子を含む有機薄膜などを作製し,金属薄膜界面を伝搬するSPと金属微粒子界面に束縛された局在SPとの多重SP複合励起については,ある程度十分に実験が行われ検討がなされた。そして,この多重SP複合励起は,太陽電池の高効率化に有効であることも明らかとなった。 しかし,発光性色素分子を含む有機薄膜における分子発光による多重SP励起については,実験が進まず,あまり検討がなされなかった。 また,SP励起のデバイスやセンサなどのデバイス応用に関しては,バイオセンサやガスセンサなどの有機デバイスについても種々検討がなされ,高感度化に結び付く基礎的な研究がなされ,ある程度の成果が得られた。 以上のことより,おおむね順調に進展していると考える。
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Strategy for Future Research Activity |
平成24年度の研究成果などを基に,さらに多重SP複合励起について詳しく検討する。すなわち,種々の有機薄膜や金属薄膜の表面凹凸構造や金属微粒子の位置や分布などの情報も含めて詳細に分析等して,ナノ構造と多重SP複合励起の関係を詳しく検討する。なお,基本的な素子構造について電界計算などの理論計算を詳しく行い,基礎的な構造のSP特性などから評価を行う。 また,色素分子を含む種々のナノ構造制御有機薄膜を作製し,その測定結果などから,SP放射光とナノ構造との関係についても検討する。さらに,色素分子とナノ構造による効率的な多重SP複合励起とその制御,SP励起放射光特性とナノ構造などについて検討する。 以上により,多重SP複合励起機構に関する知見を得る。そして,多重SP複合励起に関する最適化構造を見出し,多重SP複合励起を利用した太陽電池やセンサなどの高効率デバイスへの応用を試みる。なお,他の研究機関の研究者と議論や研究打合せなどもを十分に行い,多方面から検討したい。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
「物品費」,「旅費」および「その他」として,以下のように使用する。 「物品費」は,主として,種々のナノ構造制御有機薄膜を作製するための,成膜用分子材料,基板材料,蒸着用金属材料,有機溶媒や試薬などを消耗品費として購入するために使用する。光学測定用として,光学部品も消耗品費として購入し使用する。 「旅費」は,本研究課題に関する調査・研究のための旅費と研究成果を発表するために使用する。また,海外で開催される国際会議で研究成果を発表するための外国旅費としても使用する。 「その他」は,学会参加費等で使用する。
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Research Products
(43 results)