2012 Fiscal Year Research-status Report
領域選択形成したInAsナノワイヤ/強磁性体複合構造によるスピンデバイス
Project/Area Number |
24560368
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
|
Research Institution | Japan Advanced Institute of Science and Technology |
Principal Investigator |
赤堀 誠志 北陸先端科学技術大学院大学, ナノマテリアルテクノロジーセンター, 准教授 (50345667)
|
Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
|
Keywords | InAs / ナノワイヤ / MBE / 選択成長 / スピン |
Research Abstract |
平成24年度は、高アスペクト比ナノワイヤ(NW)形成、ex-situ法によるFe系強磁性体(FM)成膜の基本検討を進めるとともに、電気的計測システムの再構築を行うことを目標とした。 NW形成について必要な要素技術は、マスク基板作製とMBE選択成長の2点である。マスク基板作製に関して、(110)上では面内2方向・面外1方向{111}Bあるため、特に面外NW形成抑制のための、異方的開口部を有するマスク基板作製を進めた他、開口部形成プロセスの改善を試みている。成長後のフィードバックにより最適化を進めることが必要不可欠であるが、成長装置の不具合やマシンタイムの制約により、成果を得るまでには至っていない。MBE選択成長に関しては、主成長面として(111)B・側面として{-110}を有するNWの領域選択形成が可能となっており、その上で高アスペクト比が得られるMBE条件の探索が課題である。低フラックス・高基板温度により主成長面-側面間の成長レート差を増大させる方法で検討を行ったが、良い成果を得るには至らなかった。 ex-situ法によるFe系FM成膜については、前処理を含めたFM堆積技術が要素技術となる。この一環として、原子層堆積(ALD)による極薄Al2O3・MgOの形成に注力し、基本的な成膜条件を得るに至った。 電気的計測ついては、非局所配置によるスピン蓄積の電気的検出を行う。信号が極微小電圧であるために計測安定性・信頼性向上が課題である。ローノイズ電圧プリアンプやアイソレーションアンプ等を組み合わせた計測系の再構築を進めた。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
研究実績の概要で述べたように、本研究上で最も重要な課題の一つである高アスペクト比NW形成に関して、特筆する成果が出ておらず、やや遅れている。また、ex-situ法によるFe系FM成膜についても、前処理および界面層としての極薄Al2O3・MgOのALD形成は基本的成膜条件の確立ができたものの、NWへのFM成膜およびFM-NW構造の電気的評価には至っておらず、やや遅れている。電気的計測ついては計測系の再構築は進み順調である。しかしながら、本学における液体ヘリウムの枯渇によって、スピンデバイス計測に必須の、低温・強磁場下での電気的計測は不可能な状況にあるため、予断を許さない。
|
Strategy for Future Research Activity |
今後は、進捗がやや遅れている高アスペクト比NW形成およびex-situ法によるFe系FM成膜に注力し、平成25年度に計画しているex-situ法による複合構造形成・電気的計測を進められるようにする。また同じく平成25年度に計画しているin-situ法による複合構造形成にも着手する。平成26年度は、全ての項目において最適化を進め、最終的にはex-situ法・in-situ法の相互比較可能となるように、スピン注入デバイスの形成と計測を進めていく。
|
Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
本年度の未使用額は1%以下の少額であり、少額物品の購入をほとんどしなかったため生じたものである。次年度の研究費と合わせて、GaAs基板やレジスト材料、MBE原料など、主に高アスペクト比NW形成に関連する消耗品、学会・国際会議での成果発表および動向調査のため国内・海外旅費を支出する計画である。
|
Research Products
(5 results)