2014 Fiscal Year Annual Research Report
領域選択形成したInAsナノワイヤ/強磁性体複合構造によるスピンデバイス
Project/Area Number |
24560368
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Research Institution | Japan Advanced Institute of Science and Technology |
Principal Investigator |
赤堀 誠志 北陸先端科学技術大学院大学, ナノマテリアルテクノロジーセンター, 准教授 (50345667)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | InAs / ナノワイヤ / MnAs / MBE / 選択成長 / スピン |
Outline of Annual Research Achievements |
最終年度となった平成26年度は、まず昨年度に検討を進めたウェットエッチングを利用した高アスペクト比ナノワイヤ(NW)形成を基にして、NW電界効果トランジスタ(FET)の試作および評価を行った。100 nm以下のNW径・10以上のアスペクト比を有するInAs NWをチャネルとして利用し、標準的な電子線リソグラフィー・真空蒸着・原子層堆積技術によってNWFETを試作し、デバイスアナライザを用いてNWFETの出力・伝達特性を室温にて評価した。NW径が小さくなったことによりFETオフ特性の向上を期待したが、依然オフ特性が得られず、また電界効果移動度が劣化するなど特性向上には至らなかった。この結果は、固体ソース分子線エピタキシャル(MBE)領域選択成長ではマスク上堆積を抑制するための成長条件窓が広くないこと、面内NW形成ではビーム照射が不均一になり高い対称性・均質性を得ることが困難であることに起因していると考えられる。 この他、遅れていたin-situ法によるMnAs系FM成膜に着手した。スピンデバイス応用を見据え、半絶縁性GaAs(111)B基板上にInAs厚膜を成長し、さらにMnAs薄膜の連続成長を試みた。まず、得られた試料をX線回折により評価し、φ測定からGaAs・InAsの3回対称性とともにNiAs型MnAsの6回対称性を確認した。また磁気力顕微鏡により、MnAsが磁気構造を有することを確認した。続いて、ウェットエッチング技術によるMnAs微細加工の検討を進め、伝送線路モデル(TLM)デバイスを試作し、基礎的な電気的評価を行った。その結果、MnAs-InAs接合が良好なオーミック接合(コンタクト抵抗: 6 ohm-mm)であることを確認し、InAs NWコアとMnAsシェルの複合構造形成への展開には至らなかったが、スピンデバイス応用に向けて有望な知見を得た。
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Research Products
(5 results)