2013 Fiscal Year Research-status Report
窒化インジウム系半導体のアンモニア分解触媒援用MOCVD法に関する研究
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24560370
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Research Institution | University of Fukui |
Principal Investigator |
山本 あき勇 福井大学, 工学(系)研究科(研究院), 特命教授 (90210517)
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Keywords | アンモニア分解触媒 / 窒化物半導体 / MOCVD |
Research Abstract |
新規反応管の開発とその効果の確認 平成24年度に開発した、触媒-基板間距離を約30mmまで低減できる反応管(タイプII)を用いて、NH3分解効果を二種類の触媒について検討した。NH3分解効果については、N2キャリアガスを用いて600℃で成長させたGaN膜中のカーボン(C)汚染量(SIMS分析による)により判定した。NH3が効果的に分解されれば、分解生成物であるH2によってC汚染が低減されることになる。 (1)触媒I:ラセン状に巻いた0.1mmφ x 2 mのPt線を500Wの電力で通電加熱を行った場合について調べた。その結果、C汚染量は触媒なしの場合に比べて約半減したが、それ以上の効果はみられなかった。これは触媒金属の総表面積が約6 cm2(NH3吹き出し口面積の約5%)と小さいことが原因であると考えられる。 (2)触媒II:NH3ガスが触れる表面積が大きい触媒について探索した結果、市販品のセラミックス焼結体触媒(外径15mmφ, 内径8 mmφ, 高さ8 mm)を見出した。これをPt線により数珠状に連結したものを作製して使用した。この場合、触媒表面積は360 cm2(NH3吹き出し口面積の約350%)まで増大した。これを用いることにより、GaN中のC汚染量が約1/4まで低減するとともに、N2キャリアガスを用いて成長温度600℃で作製したInGaN膜の結晶性が向上することを見出した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
タイプIIの反応管を用い、さらに、今回新しくセラミックス焼結体触媒を用いることで、NH3分解効率を大幅に増大できる可能性が出てきた。さらに、これまでの実験では触媒はサセプターからの輻射熱のみで加熱したものであり、今後、Pt線を通電加熱することにより触媒温度をさらに上昇させることができるので、NH3分解効率の更なる増大が期待できる。
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Strategy for Future Research Activity |
1.セラミック触媒の使用条件の最適化: 二元系半導体GaN, InNの成長におけるNH3分解効果を明確にする。特に、InN成長では成長温度をどこまで下げられるかを明らかにする。 2.三元半導体InGaN成長におけるNH3分解効果の明確化とInGaN太陽電池作製への適用:InGaN太陽電池への応用をねらいとして、In組成0.3-0.5のInGaN成長におけるNH3分解効果を明確にする。 3.NH3原料使用料の低減効果の確認: 通常のMOCVD成長に比べてNH3原料使用料の低減がどこまで可能かを明らかにする。 4.関連特許の出願: 反応管ならびにセラミック触媒利用に関して特許出願を検討する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
消耗品の購入に関して、実際価格が予定価格よりも少額で済んだため。 次年度での消耗品(試薬等)の購入に使用する。
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Research Products
(3 results)