2014 Fiscal Year Annual Research Report
窒化インジウム系半導体のアンモニア分解触媒援用MOCVD法に関する研究
Project/Area Number |
24560370
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Research Institution | University of Fukui |
Principal Investigator |
山本 あき勇 福井大学, 産学官連携本部, 客員教授 (90210517)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 窒化インジウム / アンモニア分解触媒 / MOVPE成長 |
Outline of Annual Research Achievements |
NH3を窒素源とするInNのMOVPE成長での最適成長温度は約600℃である。これは、NH3の熱分解率の増大のための高温化と成長したInNの熱劣化の抑制のための低温化のtrade-offの関係で決まっている。もし、より低温でより多くの活性窒素が供給できれば、より高品質のInN結晶が得られることが期待される。そのような観点から、アンモニア分解触媒援用MOVPE成長の検討を進めてきた。 これまでの検討ではアンモニア分解触媒として線状のPt系金属を使用してきたが、表面積が大きく取れないためか、必ずしも十分な触媒効果を得ることができなかった。最終年度では、ペレット状のアンモニア分解触媒の使用を検討し、通常のMOVPE成長とは大きく異なる成長挙動を見出した。 成長に使用したアンモニア分解触媒は日揮触媒化成㈱製セラミックス触媒N134である。触媒はサセプターからの輻射熱によって加熱される構造とし、NH3ガスを触媒槽を通して成長ゾーンに導入した。 その結果、450~600℃において成長温度の低下とともに成長速度が顕著に増大し450℃で最大となることを見出した。通常のMOVPE成長では成長温度600℃で成長速度が最大となり成長温度の低下とともに成長速度が減少する。これらのことから、ペレット状触媒を使用することにより、500℃以下でも成長に必要な活性窒素が十分に供給されていることがわかる。一方、500℃以上での成長速度の低下はNH3分解により発生したH2によるInNの分解・エッチングによるものと考えることができる。 以上の結果から、アンモニア分解触媒としてペレット状セラミックス触媒を使用することにより、500℃以下でも成長に必要な活性窒素が十分に供給できることがわかり、InN系材料の大幅な高品質化の可能性があることを見出した。
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Research Products
(2 results)