2013 Fiscal Year Research-status Report
自己組織化ナノ結晶による強誘電トンネル効果の解明と新規メモリ素子の実現
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24560374
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Research Institution | Fukuoka University |
Principal Investigator |
西田 貴司 福岡大学, 工学部, 准教授 (80314540)
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Keywords | ナノ結晶 / サファイア / 電気的特性 / BST / マイクロ波素子 |
Research Abstract |
電子セラミックスなどの強誘電体材料では新奇な現象として、材料をナノサイズにしたとき、強誘電分極と相互作用する特異なトンネル電流が見いだされ、非常に注目されている。現時点では物理機構は未解明である。しかし、この現象を応用することで、ナノサイズ、超低消費電力、高耐久の究極のメモリ素子が得られるため、現象解明が渇望されている。 本研究は、独自の手法・アプローチとして、(1)自己組織化を利用した高品質なナノ結晶育成、(2)超高感度電流測定による強誘電体ナノ膜の界面状態評価、を活用することで、この新現象の解明に取り組むとともに、将来の応用に有用な知見の獲得を目指す。 本年は自己組織化ナノ結晶の育成手法の改善、さらには他の材料系におけるナノ結晶育成にも取り組むと共に、ナノ結晶評価手法の開発も行った。結果として、非鉛のBa系の薄膜成長の品質改善が得られ、最適化に関する知見が得られた。また、得られた膜にて特性評価を行い、誘電特性、特に高周波特性に関してデバイス応用上良好な特性を得ることに成功し、論文への報告を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
薄膜作製装置の立ち上げ、改良が順調に進み、実験上の運用状況も良好で、故障や装置の不調などもない。また、所属する大学、研究科の支援や本研究に対する理解もあり、支障なく進んでいる。
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Strategy for Future Research Activity |
今後も研究を強力に推進し、特に、昨年に取り組んだナノ結晶評価手法(SPMによる強誘電性の精密評価)を活用して、より微細な試料形態での測定評価を試みる。これにより、デバイス応用上の成果だけではなく、より電子物性の基礎の上で価値ある成果を目指したい。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
本年は主にデバイス応用上での成果が中心に得られ、ナノサイズ物性などの実施に費用のかかる基礎的な研究については後回しになったため、当初予算執行計画からのずれが生じている。 SPMの探針や、導電性のナノ結晶基板材料など単価の高い資材の購入に使用する予定である。
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Research Products
(5 results)