2014 Fiscal Year Annual Research Report
光吸収層を持つ新規圧電体の開発とレーザ誘起衝撃波・電界パルスによる遺伝子導入
Project/Area Number |
24560384
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Research Institution | Kanazawa Institute of Technology |
Principal Investigator |
會澤 康治 金沢工業大学, 工学部, 教授 (40222450)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小木 美恵子 金沢工業大学, バイオ・化学部, 教授 (50410288)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 圧電体 / レーザ / 衝撃波 / 電界 / 遺伝子導入 |
Outline of Annual Research Achievements |
今年度,研究代表者はレーザ誘起衝撃波(LIESW)の影響が小さいと考えられる箇所にも高効率で外来物質が導入されるという新しい知見について,時間領域有限差分法による波動伝搬シミュレーションを用いて検討した.カバーガラスと水との境界面に平行な方向の圧力を計算したところ,音源直上では規格化圧力0.12程度の最大圧力が加わり,音源直上から離れるに従い減少した.一方で音源直上から32Δd(Δdは空間離散間隔)の箇所で最大圧力値の50 %程度,さらに62Δdの箇所で最大圧力値の90 %程度の圧力が局所的に加わることがわかった.これは,実際の実験系において圧力源から離れた箇所でも,大きな圧力が加わる可能性を示唆している.またLIESWの連続生成を目的に純水中にレーザ吸収材としてカーボンブラック(CB)を分散させた黒色液体ターゲットの音響特性を調べた.プラズマ照射で作製したCB分散溶液(濃度6%,CB平均粒径10-20μm)の平均音速はおよそ1.59 km/sであり,この値はこれまでにターゲットに使用してきた黒色ゴムの音速値(1.6 km/s)とほぼ同じであった. 研究分担者は,細胞に対する外来物質の導入はLIESWの圧力値が高くなると向上するが,細胞の剥離率も増加するという矛盾があり,またアブレーション領域では導入率が高いが,周辺領域では低いという問題に対して,LIESWが細胞に伝搬する方向を変化させ,細胞の剥離を防ぎ,かつ物質の導入率を向上させた結果,培養領域全体の平均導入率が40%となった。 研究期間全体を通してレーザ誘起衝撃波・電界パルス発生実験から遺伝子導入法の問題点解決につながる新しい実験事実の発見があった.一方,細胞への電界パルス効果については十分に解明できたとはいえない.この点についは平成27年度以降得られる科学研究費補助金により解明していきたい.
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Research Products
(10 results)