2012 Fiscal Year Research-status Report
空孔径制御を用いた偏波保持フォトニック結晶ファイバデバイス作製とその応用
Project/Area Number |
24560395
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
|
Research Institution | Ibaraki University |
Principal Investigator |
横田 浩久 茨城大学, 工学部, 准教授 (30272115)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
今井 洋 茨城大学, 工学部, 教授 (20151665)
|
Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
|
Keywords | フォトニック結晶ファイバ / 偏波保持光ファイバ / 光減衰器 / 長周期グレーティング / 炭酸ガスレーザ |
Research Abstract |
本研究では,偏波保持フォトニック結晶ファイバ(Polarization-Maintaining Photonic Crystal Fiber: PM-PCF)の空孔径を制御することにより,光減衰器や長周期ファイバグレーティングなどの機能性ファイバデバイスを実現するとともに,これらのデバイスを光ファイバセンシングシステムに応用することを目的としている.今年度は,炭酸ガスレーザ照射を用いた空孔径制御によりPM-PCF光減衰器の試作を行い,照射レーザパワーの調整により空孔率(空孔ピッチに対する空孔径の割合)を制御できること,空孔率を制御することで所望の減衰量が得られることを実証した.また,理論解析により,光減衰器作製に適したPM-PCFの構造を明らかにするとともに,減衰量の偏波依存性を抑制するための空孔径制御条件も明らかにした.炭酸ガスレーザ照射を用いた空孔径制御によりPM-PCFに長周期グレーティングを形成することを試み,その光学特性(透過スペクトル)を調べた.光減衰器とは異なり,所望の波長帯以外での減衰が少ないことが望まれるため,不要な減衰が生じない空孔率となるようなレーザ照射条件を求めた.デバイスの試作を行い,波長1530nm減衰ピークをもつ長周期グレーティングを形成することができた.理論解析においては,所望の波長において減衰ピークを得るための空孔径制御周期(グレーティング周期)を明らかにしており,その結果をもとに試作を行った.
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
デバイスの試作については概ね順調に進展している.一方で,デバイス作製のための理論研究(ファイバ構造および空孔率の設計,特性解析)については,十分なデータが得られていない.また,デバイス光学特性に対する温度・歪みの影響については,検討を始めた状態であり,当初の計画よりも遅れている.なお,研究結果の外部発表については,光減衰器作製に関するもののみ行っており,長周期グレーティング作製に関する発表は平成25年度に行う予定となっている. 以上のことから,達成度は「(3) やや遅れている」と評価した.
|
Strategy for Future Research Activity |
理論研究においては,デバイス作製に適したファイバ構造の設計を進めるとともに,所望の特性を得るための空孔径(空孔率)制御条件を明らかにする.特に,長周期グレーティング形成時に所望の波長に減衰ピークが得られる空孔径制御条件を明らかにすることを中心に研究を行っていく予定である. 実験においては,デバイス特性向上を図るためにレーザ照射条件の最適化を進める.また,光学特性評価系の見直しを図り,偏波依存特性を性格に評価できる系を構築する. デバイスの温度・歪み依存特性について,理論・実験両面から基礎検討を行うことも計画している.
|
Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
物品購入費については,市販の偏波保持フォトニック結晶ファイバを購入とともに,研究協力者である(有)飛田理化硝子製作所におけるファイバ試作に充てる.また,研究に必要な消耗品も購入する. 海外ならびに国内での国際会議に各1回出席・研究発表を行うことになっており,その出張旅費に研究費を使用する. 論文投稿も予定しており,年度内に掲載された場合は,その掲載料にも研究費を使用する. 本研究においては,研究室所属学生に実験補助を依頼しており,その謝金にも研究費を使用する予定である.
|