2013 Fiscal Year Research-status Report
体内の金属ステントを発熱源とした胆管部腫瘍の根治的温熱治療システムの開発
Project/Area Number |
24560397
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
齊藤 一幸 千葉大学, フロンティア医工学センター, 准教授 (80334168)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高橋 応明 千葉大学, フロンティア医工学センター, 准教授 (70267342)
伊藤 公一 千葉大学, フロンティア医工学センター, 教授 (90108225)
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Keywords | 胆管部腫瘍 / 温熱治療 / 金属ステント / 計算機シミュレーション / 生体等価ファントム |
Research Abstract |
本研究では,体内に留置されている金属ステントを積極的に利用した胆管部腫瘍の温熱治療を実現することを目的としている.昨年度までに,電磁波エネルギーを漏えいさせるためのスロット構造を複数設けた金属ステントに,市販のマイクロ波プローブを挿入し電磁波を放射することで,金属ステントの外側も比較的うまく加温できる可能性があることが明らかになった.しかしながら,生体等価ファントムを用いた実験を行う過程で,このスロットを設けた金属ステントには,機械的強度に問題があり,臨床使用時に適切に患部に留置できない可能性があることもわかった.そこで本年度は,比較的メッシュの粗い市販の金属ステントを用いて,このステント外部への電磁波エネルギーの漏えいが発生するかどうかを検討した.その結果,この場合もメッシュ部分からステント外部へマイクロ波エネルギーが漏えいする可能性があることがわかった.しかしこの場合に,市販のマイクロ波プローブをそのまま用いると,マイクロ波エネルギーがステントから漏えいはするものの,それにより加温できる範囲は狭く,ステントの領域全体を広く加温するのは難しいことがわかった.そこでステントに挿入するものを市販のマイクロ波プローブではなく,複数のスロットを持つ同軸スロットアンテナに変更し,そのスロットパラメータ(位置,数)を適宜変化させたところ,ステントを含む領域を広く加温できる可能性があることが明らかになった.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
昨年度までに,本研究の目的である,体内に留置されている金属ステントに外部から電磁波エネルギーをあたえることによってその周辺を加温するという基本特性を確認することができた.また,この評価を行うための計算機シミュレーション手法や生体等価ファントムを用いた実験的手法を確立した.さらに今年度は,昨年度の検討により明らかになってきた課題について,それをどのように解決するかその可能性が見出されたので,これについては,次年度以降も検討を継続する予定である.
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Strategy for Future Research Activity |
“研究実績の概要”に述べたように,市販の比較的粗いメッシュの金属ステントと同軸スロットアンテナを用いることで,本研究の目的を達成できる可能性が見出されたので,今後は,この点を重点的に検討する予定である.現時点では,この特性は,計算機シミュレーションでは確認できているものの,これを実験的に確認するにあたり若干の問題があるため,まずはこれらの問題を解決する予定である.さらに,この技術の臨床応用を想定したいくつかの付随的な検討も同時に行う. また,これまでの成果を国際会議で発表するとともに,最新の電磁波応用技術についても調査を行う予定である.
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
今年度は,実験の都合により,そのための材料費が当初の予定よりも少なかったため. 次年度の実験用材料費として使用する予定である.
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Research Products
(6 results)