2012 Fiscal Year Research-status Report
III族窒化物半導体における表面界面障壁高さの制御に関する研究
Project/Area Number |
24560399
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | University of Fukui |
Principal Investigator |
徳田 博邦 福井大学, 工学(系)研究科(研究院), 特命助教 (10625932)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
葛原 正明 福井大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (20377469)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | AlGaN/GaN / heterostructure / barrier height / sheet electron density / mobility / Hall effect measurement |
Research Abstract |
AlGaN/GaNヘテロ接合の表面障壁高さの温度依存性をホール効果により調べた。まず表面に何もついていない自由表面では、550K付近で障壁高さが低下することを見出した。一方表面にSiN膜やAl2O3膜を堆積させると、この障壁高さはほとんど変化しないことが判った。つまり、自由表面よりも、膜を堆積させた表面の方が安定であることが判った。次に、フッ酸、塩酸、硫化アンモニウム処理などの表面処理を行った試料について、表面障壁高さの違いを系統的に調べた。その結果、電子濃度と移動度が硫化アンモニウム処理により大きく増加することが判った。この増加が障壁高さの変化に起因するものなのかについては検討中である。さらに表面に金属が堆積された状態の試料に熱処理を行うと、電子濃度、移動度がどのように変わるかについても調べ、金属がTi/Alの場合に大幅に増加すること、Ti/Au、V/Au、Ni/Auなどではほとんど増加しないことを見出した。これはAlが電子濃度、移動度を増加させる上で重要な役割を果たしていることを示唆している。以上の研究により、電子濃度と移動度を向上させる手法を見出すことが出来た。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の計画は、電子濃度および移動度の温度依存性、およびこれらの値がどのような処理によってどのように変化するのかを系統的に調べることが目的であった。この観点から、堆積膜、表面処理薬品、堆積金属などを変えて実験を行い、結果を得ることができたので、順調に進展していると言える。
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Strategy for Future Research Activity |
処理方法を変えての実験はほぼ終了したので、次年度はいよいよデバイスの試作を行う。具体的には、表面障壁高さと電子濃度・移動度の最適化を行い、デバイスの性能向上を図る。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
今年度は物品購入に全額を使ったが、次年度は学会参加なども積極的に行う予定である。
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