2014 Fiscal Year Annual Research Report
Ⅲ族窒化物半導体における表面界面障壁高さの制御に関する研究
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24560399
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Research Institution | University of Fukui |
Principal Investigator |
徳田 博邦 福井大学, 工学(系)研究科(研究院), 特命助教 (10625932)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
葛原 正明 福井大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (20377469)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | AlGaN/GaN / heterostructure / barrier height / sheet electron density / mobility / Hall effect measurement |
Outline of Annual Research Achievements |
AlGaN/GaNヘテロ接合に、Ni/Alを蒸着し真空中で熱処理すると、室温のシート電子濃度(ns)と移動度(μ)が増加する現象を見出した。このns、μが増加する現象を、素子特性の向上、特にソース抵抗の低減に適用するために、AlGaN/GaN HEMTを試作した。MOCVD法で成長させたAlGaN/GaNエピウエハを用い、ソース、ドレインのオーミック電極を形成後、Ni/Alをソース電極横に蒸着し真空熱処理を行った。ソース・ゲート間距離(Lsg)を変えて試作し、素子のソース・ドレイン間抵抗(Rds)を真空熱処理層有り、無しで比較した。Ni/Alの真空熱処理層がある場合にはその下のns、μが増加するため、熱処理層が無い場合に比べてRdsが減少することが期待される。その結果、熱処理層を設けることにより若干ではあるがRdsが減少することが分かった。ただしRdsの減少量は、ソース・ドレイン間距離(Lds)が長い場合(17μm以上)でも約10%であり、短い場合(13μm以下)ではほとんど差が無かった。これはLdsが短くなると熱処理層長さが短くなるため、熱処理層を設ける効果が出にくくなるためである。以上より、真空熱処理層を導入することにより抵抗の低減は図れるものの、試作したHEMTの構造ではその効果は限定的であることが分かった。真空熱処理層を適用して素子特性を向上させるには、今後さらにより効果的な素子構造を検討する必要があり、このことが今後の課題である。
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