2013 Fiscal Year Research-status Report
協調作業ツールとしての触覚表現を伴った全周表示3次元ディスプレイの開発
Project/Area Number |
24560410
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Research Institution | Osaka City University |
Principal Investigator |
高橋 秀也 大阪市立大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (30197165)
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Keywords | ディスプレイ / バーチャルリアリティー / ユーザインタフェース / 3次元ディスプレイ |
Research Abstract |
平成25年度は、平成24年度に開発した3次元ディスプレイ基本ユニットを並べて全周表示に発展させることと、全周表示3次元ディスプレイに必要な光線情報を含む3次元情報を獲得するカメラシステムを試作することを目標とした。 全周表示を行うシステムは、基本ディスプレイユニットを円周状に並べて構成されるため、表示像を触って操作できるような構造にするためには、表示される3次元像を全周表示システムの上に打ち上げる必要がある。この問題を解決するため、基本ディスプレイユニットにおいて小型高精細液晶ディスプレイに貼り付けた表示用ホログラフィック光学素子(HOE)から再生される光線の、垂直方向の射出角を斜め上方40°に設定した。また基本ユニットの継ぎ目では光線がリレーレンズの周辺部を通るため、表示される3次元像が歪む問題があったが、レンズの収差を考慮して光線情報を補正することにより、継ぎ目における歪みを解消できた。 試作した3次元ディスプレイユニットは、視域角(水平方向)18°、全周表示システムの半径465.8mmであり、3次元像の表示領域は、直径42.6mm、高さ49.92mmの両円錐領域となる。全周表示に必要な基本ユニット数は20台であるが、試作システムでは8台の基本ユニットを用いて、中心角144°の扇形ディスプレイを構成した。 また、全周表示3次元ディスプレイに必要な光線情報と物体の形状等の情報を獲得するために、3次元カメラ(通常の画像と距離画像を同時取得できるカメラ)を用いるシステムを試作した。試作システムは、6台の3次元カメラを円周状に60°間隔で配置し、円周の中心に位置する物体の光線情報と形状等の3次元情報を取得できる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
全周表示3次元ディスプレイで表示される3次元像を触って操作できるようにするために、表示される3次元像を全周表示システムの上に打ち上げる構成に変更できた。また、基本ディスプレイユニットの継ぎ目において、表示される3次元像が歪む問題を解消できた。また、全周表示のために必要な基本ディスプレイユニット数の検討を終えた。全周表示を実現する予定であったが、システムの構成の変更と画質向上を行ったため、中心角144°の扇形ディスプレイを試作したにとどまったが、基本的な問題は解決できたので、全周化は問題なく行えることは確認できた。 また、全周表示3次元ディスプレイに必要な光線情報と触感表現に必要な物体の形状等の情報を獲得するために、3次元カメラ(通常の画像と距離画像を同時取得できるカメラ)を用いる円周状のカメラシステムを試作し、円周の中心に位置する物体の光線情報および形状等の3次元情報を取得できた。 以上により、平成25年度の当初の目標は、ほぼ達成できたと考えられるため。
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Strategy for Future Research Activity |
1 平成25年度に試作した扇形ディスプレイを発展させ、全周表示システムを実現する。 2 上記1で実現する全周表示システムと平成25年度に試作した3次元カメラシステムおよび力覚表示装置を組み合わせ、観察者が表示像に触れるような感覚を持てるような全周表示3次元ディスプレイを構築する。 3 表示された3次元像に触感を与えるため、表示に必要な光線情報と触覚情報を、連携させて生成する手法を確立する。
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Research Products
(3 results)